I 1987～88年の主要国経済

第6章 イタリア:力強さ増す景気拡大

7. 経済見通し

88年9月に発表された政府の89年経済見通しによると,実質経済成長は88年(実績見込み)の3.6％から89年は3.0％とやや低下するものの,引き続き内需中心の好調な成長を続けるものとみている。内訳をみると,内需は,個人消費が88年の4.0％増から89年は3.0％増へ,総固定資本形成も88年5.0％増から89年4.6％増へと,それぞれ伸びはやや鈍化するものの,高水準を続ける。外需は,輸出が88年5.8％から89年4.5％へ,輸入も88年8.0％増から89年6.4％増へと,共に伸びが鈍化する。また,GDP増加寄与度は,内需88年プラス4.4％から89年同3.6％,外需88年マイナス0.8％から89年同0.7％とみており,内需中心の成長とともに内外需のバランスの改善も見込んでいる。また,消費者物価上昇率は4.0％(88年実績見込み4.7％),雇用増加率は0.9％(同1.0％)と見込んでいる。