昭和63年
年次世界経済報告 各国編
経済企画庁
I 1987~88年の主要国経済
第2章 カナダ:景気の拡大続く
89年のカナダ経済は,カナダ中央銀行の高金利政策と,住宅投資の低迷からやや後退し,緩やかな拡大になるものと思われる(第2-3表)。民間設備投資は,高金利政策が利払負担の増加をもたらし企業の投資意欲を低下させるものの,依然好調を続けると予想される。また個人消費は,低水準にあった貯蓄率が上昇を始めるためやや鈍化するものの,減税と賃金上昇により安定的な伸びとなるとみられる。一方,88年に落ち着いていた物価はやや高まり,失業率も8%台で推移するものと思われる。