昭和59年

年次世界経済報告

拡大するアメリカ経済と高金利下の世界経済

経済企画庁


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第4章 途上国の調整とその困難

アメリカの高金利とドル高は,発展途上国の経済にも大きな影響を及ぼしている。多額の累積債務を抱える途上国にとって,高金利とドル高は債務負担の増大をもたらし,累積債務問題の解決を一層困難なものとしている。また,世界的な高金利は,投資コストの上昇をもたらし,経済発展のための戦略の再検討を迫っている。さらに,技術革新の進展は省資源・省エネルギー効果を持っているので,一部を除く一次産品需要を低迷させ,一次産品の輸出にとってマイナス要因として働いている。また,これまで急速に先進国を追い上げてきたNICs(新興工業国)についても今後さらにキャッチアップを行うためには,先端技術産業の育成,強化が重要な課題となっている。

本章では,高金利・ドル高と最近の技術革新が途上国に与えた影響を分析した(第1節)後,累積債務国(第2節)及びアジアNICsとASEAN(第3節)に焦点を当てて,新たな状況に対応する開発戦略を展望する。


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