昭和52年
年次世界経済報告
停滞の克服と新しい国際分業を目指して
昭和52年11月29日
経済企画庁
第2章 緩慢な景気回復の影響
前章で述べたように先進国全体としてみると今回の景気回復は大不況の後としては緩慢であった。そのため多くの国で高水準の失業がつづき,また設備の操業度が低く,一部の基幹産業では,生産水準が米だ著しく低いなど,多くの問題を生じている。本章では,全体としての生産回復の不十分さが,欧米諸国の雇用問題や産業別の生産水準にどのような影響を与えているか,またこのような事情が欧米諸国における保護主義的傾向とどのような関係をもっているかを検討する。