昭和51年

年次世界経済報告

持続的成長をめざす世界経済

昭和51年12月7日

経済企画庁


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昭和51年度年次世界経済報告の刊行に当たって

最近の世界経済をみますと,1975年春にまずアメリカ,日本の景気が回復に向い,次いで西ドイツ,フランス,イギリス,イタリアなどがこれに続きました。しかし,回復テンポは今年の春頃までは非常に急速でありましたが,夏頃からどの国でも著しく鈍化しております。すなわち,アメリカ,西ドイツでは底固い回復基調にあるものの,いま一つ力強さに欠けており,イギリス,イタリア,フランスなどでは,金融引締め政策に伴い,景気の先行きが懸念されております。

このような状況のなかにあって,経済力の強い国と弱い国とに二極分化傾向が強まっておりますが,わが国と致しましても,物価動向にも配慮しつつ,経済の拡大均衡を目指して景気の一層の回復に努める必要があり,そうすることによって,世界経済の持続的繁栄に貢献しうるものと考えます。

昭和51年12月7日

野田 卯一

経済企画庁長官


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