昭和50年

年次世界経済報告

インフレなき繁栄を求めて

昭和50年12月23日

経済企画庁


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第2章 トリレンマの変貌

世界的な不況の進行過程で多くの国で二桁インフレが収束し,先進工業国の国際収支も改善するなど,トリレンマは変貌してきた。また,この間石油や一次産品の需給も大きく緩和した。

しかし,コスト圧力の続く中でインフレ再燃の危険性は残っており,先進工業国の国際収支改善の一方で,非産油発展途上国では大幅な経常収支赤字が続いている。また,石油需給緩和の中で75年10月にはOPECの石油再値上げが実施された。

本章では,インフレ,国際収支不均衡,石油・一次産品価格の上昇といった一昨年来の世界経済を襲った諸問題がその後いかに変化したか,そのうちどれだけが不況という短期循環的要因によるものであり,どれだけの問題が残されているのかを検討しよう。


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