昭和50年
年次世界経済報告
インフレなき繁栄を求めて
昭和50年12月23日
経済企画庁
第1章 世界不況の進行と不況からの脱出
1974年は世界経済が,インフレ,不況,国際収支の不均衡といういわばトリレンマに陥った年であった。これに対して75年は,世界不況が一層深刻化して戦後最大の規模となり,74年に引続くゼロ成長,高率の失業,世界貿易量の縮小などを経験したところに最大の特徴があった。本章では,このような戦後最大の不況の進行過程,特徴,原因について回顧するとともに,世界景気の現状と回復の持続性を検討しよう。