昭和50年

年次世界経済報告

インフレなき繁栄を求めて

昭和50年12月23日

経済企画庁


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昭和50年度年次世界経済報告の刊行に当たって

世界経済は,2ヵ年に及ぶ戦後最大の不況から立直るため,懸命に努力いたしてまいりましたが,今日,アメリカ,日本,西ドイツおよびフランス等の諸国で,ようやく回復に向って歩みを進めることができるようになりました。このような状況下で,ランブイエ宣言は,日本を含む世界の主要先進国が当面する世界経済の諸問題に対して,協力して解決に当り,世界経済を繁栄に導く決意を表明いたしました。

日本経済の当面の目標も,現在の不況からの速やかなる脱却にあります。

しかし,回復の過程は決して平坦なものではないと思われます。われわれはインフレの発生を厳しく警戒しながら,政策を一層機動的,多角的に運用することによって,中長期的展望に立脚した安定成長の実現を期する必要があります。

さらに世界貿易の拡大を推進し,資源需給の安定化をはかり,途上国援助を一層効果的なものとすることにも,わが国の立場からの貢献がなされるべきでありましょう。

このようにして,ひとりわが国のみならず,世界経済をインフレのない繁栄に向って導くことが可能になるものと思われるのであります。

昭和50年12月23日

福田 赳夫

経済企画庁長官


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