昭和41年

年次世界経済報告 参考資料

昭和41年12月16日

経済企画庁


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第3章 西ドイツ

3. 67年の経済見通し

最近における急激な景気情勢の悪化により,66年の経済成長率は年初の政府予想4%(実質)をかなり下回ることが必然となり,3.5%ないしそれ以下の予想も出ている。67年の経済見通しも決して明るくない。むしろ経済政策の転換がないかぎり,景気情勢は今後ますます悪化の方向へすすむであろう。またかりに近く金融緩和に踏み切ったとしても,その効果が出てくるまではある程度のタイムラグがあるから,少なくとも67年上期の景気はせいぜい停滞的とみるほかない。66年下期に景気が立直るか否かは,政策転換のタイミングと輸出の動向に左右されるであろう。現在のような輸出の好調がい,つまで続くか,それが経済政策の転換とうまく噛み合ってつぎの上昇局面を導き出せるか否かが注目される。

67年の経済成長率については,67年度予算編成時に,名目7%,実質4%という予想が立てられていたが,現在では名目5%とみる見解が支配的であり,物価上昇を考慮にいれれば実質成長率は2%余にすぎなくなる。シュミッカー経済相は10月末に,66年の成長率3.2%に対して67年は3.5%という予測数字を発表したが,これはおそらく政策変更を織りこんだものと思われる。また11月はじめ発表のドイツ経済研究所の景気観測も,政策の変更がないかぎり67年の成長率は名目4.5%,実質2%と推定している。しかしかりに遅くとも年末までに支払準備率の12%引下げと公定歩合の1%引下げ(5%から4%へ)を実施し,同時に財政投融資40億マルクを追加的に投入すれば,67年の名目成長率を6%(実質3.5%)へ引き上げることも可能と予測している。


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