昭和41年
年次世界経済報告 参考資料
昭和41年12月16日
経済企画庁
第2章 イギリス
1966~67年のイギリス経済は強力な引締めの浸透によってかなりの停退が予想されるが,ポンドの先行きについて予断できないことや一連の引締め措置,とりわけ選択的雇用税や物価凍結の効果の計量化がむずかしいことなどの不確定要因が多く,景気見通しを行なうことは困難である。
66年については工業生産の実績などからみて実質成長率は1%程度とみられる。67年について,国民経済社会研究所(NIESR)は1%増と推計しているが,かなり楽観的だとの批判が多い。すなわち,この見通しは製造工業の設備投資の減少を6%,輸出の伸びを5%と仮定しているが,とくに前者については商務省推計でさえ7~8%減を見込んでいること,CBIの投資予測調査(10月発表)が今後1年間に20%の低下を予想していることからもかなり楽観的であるといえる。輸出見通しについては内需抑制にともなって輸出ドライヴがかかると思われるのでほぼ妥当であろう。したがって公共支出が若干増加するとしてもNIESRの見通しをかなり下回ることは避けられないであろう。