昭和56年

年次経済報告

日本経済の創造的活力を求めて

昭和56年8月14日

経済企画庁


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第II部 日本経済の活力,その特徴と課題

第1章 民間部門の活力とその課題

第I部でみてきたように,第2次石油危機の影響を受けつつも,日本経済は他の先進主要国に比し,比較的良好なパフォーマンスを維持してきた。

このパフォーマンスの良さは,石油危機という第2次大戦後最大のエネルギー変化に対応して,企業や家計がその状況に合理的に適応し行動していったことの反映であった。これをわが国経済の民間部門の活力と呼んでいいであろう。この活力の源泉をわが国の民族的伝統的要因に求める見方もあるが,そうみえるものの多くは,実は経済的合理性の観点から説明しうるものが多く,経済成長の達成や危機の影響緩和に効果的に機能するものであったといえる。とはいえ,内外情勢の変化に臨んで,民間部門の活力にもより新しい課題と対応が要請されているといえる。

本第1章では,こうした視点から民間部門の活力とその課題について検討しよう。


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