昭和55年
年次経済報告
先進国日本の試練と課題
昭和55年8月15日
経済企画庁
第II部 経済発展への新しい課題
わが国の経済社会,特に社会的側面では2つの大きな変化が生じつつある。その1は,労働力供給構造の変化である。労働力の中高年齢化,高学歴化,婦人の増大が進行しつつある。こうした事態は,今までの日本的な制度・慣行の見直しを迫っている。また,これまでの高度成長に伴う大衆社会化の進行は,人々の価値観の多元化をもたらしている。こうした中で公共部門は効率よくその役割を果たしていかねばならないが,同時に経済社会の問題解決能力を高めていくことも重要な課題である。本章では,こうした諸点について検討してみよう。