昭和51年
年次経済報告
新たな発展への基礎がため
昭和51年8月10日
経済企画庁
年次経済報告(経済白書)は,わが国経済の現状を総合的に分析・検討し,国民に対して経済が直面する諸問題を明らかにするとともに,今後の経済運営に対する示唆を与えることを目的としている。
本年度報告は,以下の5章から構成されている。
第1章では,昭和50年度を中心に本報告発表の最近時点までのわが国経済の推移を回顧し,戦後最大の不況からの回復過程の特徴を浮彫りにした。
第2章では,世界景気の回復を背景としたわが国輸出の増加の特徴を探り,その国内景気回復への影響をみた。
第3章では,今回の景気回復過程において従来以上に根強い物価上昇圧力が存在することを指摘し,その背景にある要因を分析した。
以上の諸章においては,景気,物価等最近の経済の動きをできるだけ企業行動との関連から光を当てることを試みたこと,及び,50年度においては企業体質の問題がひろく関心を集めたことなどから,第4章においては,企業をめぐるいくつかの問題点について検討した。
終章では,主として本文での分析結果をふまえた上で,経済の新しい発展のための基礎をかためるという観点から,昭和51年度のわが国経済が取り組むべきいくつかの課題を指摘した。