昭和47年
年次経済報告
新しい福祉社会の建設
昭和47年8月1日
経済企画庁
昭和46年度の個人消費支出は,45年後半からの景気後退の中で,その伸び率は前年度に比べ低下した。もつとも47年春に景気回復のきざしがみられるようになると,個人消費の面でも復調の動きがではじめてきたが,46年々度間を通じてみると,停滞基調を続けた。
「国民所得統計」(速報)によれば,個人消費支出(名目)の前年同期比増加率は,45年1~3月から46年1~3月にかけて15~16%増と,かなり高い伸びを示したが,経済成長率の鈍化にほぼ3四半期遅れて46年4~6月以降増勢は下がり,46年度下期にはその伸び率は12%台へと低下した。この結果,46年度の個人消費支出は前年度比12.9%増(42兆4,482億円)と,45年度の伸び率15.9%増を下回り,景気後退の中で個人消費支出も例外ではない動きを示した( 第12-1図 )。
43~45年度にかけて個人消費支出は前年度比15%以上と高い伸びを示したあと,46年度には12.9%増と増勢鈍化を示したが,いま,こうした変化を国民総支出の動向と対比しながら,前回(39~40年度)の景気後退局面と,今回(45~46年度)と比較してみると, 第12-2表 のごとくなつている。すなわち,国民総支出の伸び率は,前回は15.8%から10.8%,今回は16.4%から10.5%と,ともに大きく低下し,これに対して,総支出を構成する個人消費支出の伸び率も,前回の15.7%から12.7%,今回も15.9%から12.9%へと下がつている。ただ,総支出に比べると,個人消費支出の伸び率鈍化は,前回も今回も相対的に小さかつた点が特徴的である。このため国民総支出中に占める個人消費支出の割合は,45年度の51.3%から46年度には逆に52.5%へと,わずかながら上昇し,これまでの景気後退局面と同様に,個人消費支出は景気の落込みを支える要因として働いた( 第12-2表 )。
第12-1図 国民総支出と個人消費支出の動向(前年同期比,増加率)
こうした個人消費支出の動きを家計収支の面からみると,勤労者世帯(全国)では,46年度の家計消費支出は前年度に比べて9.8%増と,45年度の13.5%増に比較してかなり大幅に伸び率は下がり,40年代にはいつて41年度(8.7%増)につぐ低い伸びとなつた。これに対して農家世帯の家計消費支出も,45年度の13.2%増から46年度には10.3%増とわずかではあるが伸び率は低下した( 第12-3表 )。
このように勤労者,農家世帯を通じて家計消費支出の伸びが停滞した要因には,景気後退の影響をうけて,それら世帯収入の伸びが鈍化したことがある。
勤労者世帯(全国)についてみると,実収入はこれまでの賃金上昇により毎年10%を越える伸びを示した。とくに45年度は15.7%増と大幅な伸びを示したが,46年度には一転して前年度比9.4%増と低い伸びにかわつた。これにつれて可処分所得も45年度の15.3%増から46年度には9.5%増(139.6万円)へと下がつた。
実収入の伸びの低下は,内容的には,その約60%を占める世帯主の定期収入の伸び率が,46年4~6月以降それまでの14~16%増(前年同期比)から8~11%増(同)へと低下を示しているが,それ以外の臨時給与・賞与や世帯主収入以外の世帯員収入,事業内職収入などが軒並み伸び率低下を示したことによる影響が大きい( 第12-4表 )。とくに実収入中約2割を占める臨時給与・賞与の不振が大きかつた。臨時給与・賞与は,夏期賞与が前年比で45年の23.1%増から46年には13.3%増と落ち,ついで年末賞与は,44年(前年比20.1%増),45年(同21.4%増)に比べて46年はわずか4.4%増と,前回の景気後退下の40年の7.9%増よりはるかに低い伸びにとどまつた( 第12-5表 )。これは国際通貨調整という新事態に直面した企業が,業績の悪化に加え,景気の先行き不安感から賞与の支給を極力抑制したためであつた。
他方,農家世帯では,農家所得は45年度の11.5%増に続いて,46年度も11.6%増と,勤労者世帯とは対照的に比較的高い伸びを示した。もつとも所得の内容をみると,農業所得そのものは,米の減反などにより45年度の4.0%減(前年度比)から46年度にはさらに6.5%減(同)と,2年連続して減少を示したが,農外所得は景気後退下にもかかわらず,出稼ぎなど農外労働の増加により46年度は前年度比で22.1%増と大幅に増加したことが大きかつた。つまり農家世帯では,農業所得の減少を,農外所得の増加でカバーしたのである( 第12-3表 )。
景気後退の中で実収入の伸び率が下がり,それにつれて家計消費支出の伸び率も低下したことが46年度の特徴である。勤労者世帯の家計支出の動きをみると,46年度上期には11%増(前年同期比)と比較的順調な動きを示していたが,10~12月(同)には7.8%増とかなり大きく下がり,ついで47年1~3月には9.0%増(同)と若干持ち直したものの,46年度平均では前年度比9.8%増と,45年度の13.5%増に比べて,その伸びは大幅に低下した( 第12-6表 )。
この名目家計消費支出をこの間に上昇した物価で調整し,実質消費支出に直してみると,46年度上期の4%台(前年同期比)の増加から下期には1~2%増(同)へと伸びは下がつている。これまで消費者物価は,44年度6.4%,45年度には7.3%の高騰のあと,46年度には5.7%の上昇となり,その上昇率は鈍化を示している。このように物価上昇率は鈍化を示したものの名目家計支出の伸び率大きく低下したことにより,46年度平均の実質消費支出は3.9%増と,41年度(3.8%増)以来の低い伸びとなつた。
以上のように46年度に停滞を示した家計消費支出を,その内容である費目別の変化についてみると, 第12-6表 に示すように,46年度は住居費の伸び率が45年度の10.4%増から13.7%増へと高まつた以外は,食料,光熱,被服,雑費などいずれも伸び率は低下した。
住居費には耐久消費財を中心とする家具・じゆう器を含んでいるが,耐久消費財のひとつであるカラーテレビが45年度には消費者運動の高まりからその購入が抑制され,このため家具・じゆう器の45年度の伸び率は5.5%増にとどまつた。しかし46年度に入つて再びカラーテレビの購入はふえ,さらにルーム・クーラーなどの耐久消費財の購入増加などもあつて家具・じゆう器は,46年度には前年度比19.2%増と急増した。これが住居費の伸びを高める要因として働いた。
このほかの46年度の費目別消費支出の特徴をみると,①食料費では,食生活の変化を反映してし好食品(前年度比10.0%増),外食(同11.1%増)がふえ,また野菜・果物の値下がりなどからこれらの実質消費の伸び率はそれぞれの11.2%増,12.1%増となつた。②これに対して被服費は,繊維二次製品の値上がりや,ファッション化の進展などから購入価格は前年度比8.5%上昇し,このため46年度の実質消費は45年度に続いて横ばいとなつた。また,③雑費では前年度大幅にふえた自動車等関係費,教養娯楽費,交際費などの伸び率は下がり,このため雑費全体の伸びは45年度の16.5%増から46年度には11.0%増と低下した。実質ではこの間9.6%増から4.6%増へと伸びは半減した。
家計消費支出を耐久財,非耐久財およびサービスにわけてみると,食料費などを中心とする非耐久財の家計支出に占める比重はいぜんとして大きいが,相対的に伸び率は低下傾向をたどり,逆に電気製品,家具,自動車など耐久財や外食,理容・美容料,交通費,水道料,家賃・地代などのサービス購入支出の伸びが高まつている。この結果これらの家計支出のなかで占める比重は高まつている。これらの最近の動きをみると,45年度には万国博もあつてサービス支出が前年度比14.4%と増加し,一方,耐久財は年後半に増勢鈍化をみせたものの高い伸びを示した。46年には,レジャー関連支出の鈍化もあつてサービス支出は若干伸び悩んだが,耐久財はほぼ前年並みの伸びとなつた。構成比でみると,サービス,耐久財支出で高まり,非耐久財の比重は引続き低下した。
耐久財支出は,45年後半のカラーテレビの買控え問題などの影響から46年前半には電気製品の伸びは下がつたが,46年7~9月には前年とは逆に著しく増加した。また,自動車関係の支出は,46年7~9月まで大幅な伸びをみせた。こうして,46年の耐久財支出は,電気製品および自動車関係の伸びを中心に根強い動きを示した( 第12-7表 )。
46年度の家計支出の伸びの停滞のなかにあつて,耐久財支出は他の費目の鈍化傾向に比べて堅調に推移した。家計調査でみた全国全世帯の家具・じゆう器支出は46年度には前年度比増加率15.0%となり,43,44年度の20%台の高い伸び率には及ばないものの,前年度よりも好調な伸び率を示した。
これには,家具などの底堅い増加傾向もその一因にあるが,電気製品に対する支出のなかでカラーテレビ,冷蔵庫,クーラーなどの大幅支出増加によるところが大きかつた。過去における耐久消費財の普及は,洗たく機,冷蔵庫,テレビ(白黒)が42年にかけてめざましい普及を示し,その後,カラーテレビ,ルームクーラー,自動車の普及時代へ移行した。46年にはカラーテレビは前年比増加率29.3%と著増し,冷蔵庫も20.6%とここ数年来なかつた高い伸びをみせ,クーラーも45年に引続き大きな支出増となつた。こうした普及率の動きは,当庁「消費者動向予測調査」をみてもはつきりあらわれている。すなわち,全世帯ではカラーテレビが46年2月の42.3%から47年2月には61.1%へと大きく上昇した。冷蔵庫はすでに普及が一巡したものの,大型化,多様化等もあつてその需要は堅調に推移している。また,クーラーは最近数年間に普及率も高まつており,とくに非農家では10%をこえた。一方,自動車購入の支出は,ここ2~3年間に著しい増加傾向を示し,46年度前半まで高い伸びを維持したが,後半の落ち込みによつて46年を通じては伸び率は低下した。しかし,普及率は全世帯で45年2月の22.4%から46年2月30.0%,47年2月34.1%へとめざましく上昇している( 第12-8図 )。
このように耐久消費財の普及率は全世帯でみても高まつているが,その普及率の都市,農村の格差はかなり解消しつつある。47年2月では,農家における主要耐久消費財の普及率のほとんどで農家が非農家の普及率にせまつており,このうち,乗用車では農家の普及率が非農家を上回わつた。家計調査によつても,都市と農村の家具・じゆう器支出は46年にそれぞれ16.4%,13.5%の前年比増加率となつており,家計支出に占めるそのウエイトは都市よりも農村が高い。とくに,農村の自動車購入は45年ごろから著しい伸びをみせ,46年に入つても引続き高い伸びを維持し,都市では46年10~12月には自動車新税の実施の影響もあつて著しい低落をみせたにもかかわらず,農村ではいぜんとして衰えをみせていない。また,家計支出に占めるウエイトでも6~8%を占めそのおう盛な消費動向を物語つている。総理府統計局・当庁「家計資産調査」(45年)により家計資産の構成でみても,農家では耐久財総額441千円の29.1%にあたる128千円が輸送機器で占められて最も多く,ついで家具・敷物類23.6%,家庭用器具20.7%,教養娯楽用具17.4%,その他9.0%となつている。これに対して勤労者世帯の場合は,家具・敷物類が最も多く25.7%,教養娯楽用具25.5%,家庭用器具22.0%,輸送用機器18.7%,その他8.1%となつている。このような農家の自動車購入の顕著な増加傾向は,農外収入の増加もあつて農家所得が堅調な増加をみせていること,農業労働の面でも自動車が不可欠となりつつあることなどの要因によるものとみられる( 第12-9表 )。
一方,レジャーの面から家計支出の動向をみると,このところ高い所得の伸びを背景として伸びの大きかつたレジャー関連の支出は,46年にはかなりの鈍化をみせた( 第12-10表 )。45年には万国博の影響から旅行などの支出が高まつたが,46年には前年の反動もあつて旅行支出が減少し,かわつてカラーテレビ,カメラ,楽器などレジャー用の耐久財の支出が増大した。レジャー関連支出もかなり景気動向の影響を受けているが,46年に鈍化した伸び率も旅行支出を除いてみると家計支出の伸び率を上回つており,レジャーは消費行動のなかに強く定着しつつある。
これを46年について年間収入5分位階層別にみると,家計支出に占めるレジャー関連支出の割合は収入階層に応じて高まつており,その内容を構成比でみると,読書・鑑賞などは高い収入階層でその支出比率は相対的に下がり,逆に,旅行,スポーツ・入場観覧などが相対的に上昇する傾向がみられる。このように,レジャー支出内容は所得水準によつてかなり相違を示している( 第12-10表 )。
以上のように景気停滞のなかにあつて低迷をみせた消費は,46年度末には景気回復のきざしがうかがわれるなかで動意がみられるようになつている。家計支出の動きとかなり関連した動きを示している全国百貨店販売額は,47年1~3月には上昇気配をみせている。また,47年の春期賃上げ交渉による賃上げ率は15.0%と前年に比べ伸び率では若干下回つたが,金額では上回り,消費に対し明るい材料を与えている。また46年冬期賞与は著しい低下をみせ家計支出の伸びを大きく押え込んだが,景気面での明るさがみえはじめるにしたがい47年夏期賞与に対する増加期待感も高まつており,その使途配分予定をみてもこれまで同様耐久消費財,レジャーなどを中心とする根強い消費意欲がうかがわれる。今後,景気が回復基調を強めるなかで,家計収支の面でも所得の伸びがしだいに高まり,これにともない家計支出も拡大方向へ進むものとみられる。
つぎに可処分所得と家計支出の動向から消費性向についてみると,46年度の消費性向は80.0%となり,45年度の79.8%に比べて0.2ポイント上昇している。消費性向は45年までは低下傾向が続いたものが46年には上昇しているが,40年から45年までの消費性向の低下を年間収入5分位階層別および費目別にその低下のポイント差をみると,消費性向の低下幅は収入階層の高いほど大きく,内容的には食料費,光熱費などの経常的な支出項目で低下している。一方,収入の低い階層では家賃・地代のウエイトが高いため消費性向の低下をさまたげていることが目立つている。しかし,45年から46年にかけての消費性向の上昇をみてみると,その上昇は収入階層の低いところで大きく,低所得層では家具・じゆう器や雑費に対する支出の増加が影響している(本報告 第1-22表 参照)。
このように消費性向がわずかではあるが上昇した反面では,家計の黒字の伸びは停滞した。貯蓄率(貯蓄額/可処分所得)は45年度の13.2%から46年度には13.1%へと低下した。その内容をみると,45年度に前年度比35.6%増と伸びた預貯金が,46年度には賞与の低い伸びに影響されて7.4%増となり,貯蓄純増増加率は6.5%増となつた( 第12-11表 )。
一方,消極的な意味での家計黒字である負債の返済は,45年度はほぼ横ばいのあと46年度には11.5%と大きくなつており,なかでも借金返済が増加した。
46年の「貯蓄動向調査」(総理府調べ)によると,貯蓄現在高は,勤労者世帯で1世帯当たり142万円で,5年前の41年に比べて2倍となつた。これは,その間の年間収入が88万円から158万円へと1.8倍の伸びを示したのに比べて,若干上回つている。また,近年の増加率をみると,44年は25.3%増と最も高く,46年は45年の伸びをやや下回り12.4%増となつた。
貯蓄現在高を種類別にみると,最も安定的な定期性預金の比率が高く全体の38.1%を占め,ついで,生命保険が20.8%,有価証券が20.6%,通貨性預金が16.5%となつている。また,世帯主の職業別にみると,勤労者世帯が142万円,一般世帯260万円と,勤労者世帯と一般世帯の格差は大きい。しかし,その格差は41年から引続いて1.8倍と一定している。一方,勤労者世帯について所得階層別に5分位でみると,所得の低い第I階層と,最高階層である第V階層の格差は,41年以降毎年その開きが小さくなつてきており,所得平準化による効果がみられる。前年比増加率でみても,第I階層の伸びは44年ごろより一貫して他の階層を上回り,46年においては景気調整の影響を受けて全体が45年の伸びを下回つているにもかかわらず,第I階層では45年の伸びを上回つた。他方,46年末の負債現在高は,勤労者世帯において,24万円,うち,住宅,土地のための負債は,負債全体の80.6%を占めている。このうち住宅と土地のための負債のある世帯は18.9%で,負債現在高108万円のうち,102万円が土地,住宅のための負債となつている。負債現在高を借入先別にみると,勤労者世帯においては,勤め先からが最も多く43.7%となつている。
なお,消費者信用の状況(全国銀行貸出ベース)をみると,45年10~12月期以降に著しい鈍化をみせ,住宅資金を除き前年同期比増加率は低下に転じたが,46年7~9月以降は金融緩和の背景もあつて回復をみせている。新規貸出額の構成では,住宅資金の比重が消費財,サービス向けのそれを上回るに至つた( 第12-12表 )。
所得水準の上昇とともに所得の平準化,消費の高度化が進められた。ここ数年間の国民の暮しむきについての意識の変化をみると,46年にはそれまでの所得平準化もあつて暮しむきが「普通」という世帯が40年に比べ増加(47.0%→49.7%)しているが,一方では「普通よりよくない」という世帯は増加(3.0%→3.5%)し,「普通よりよい」という世帯は減少(17.8%→16.5%)している( 第12-13表 )。また,厚生省「保健衛生基礎調査」により45年における生活時間状況をみると,生活時間に「ゆとりがある」という者の割合が全体の38.4%であるのに対して,生活時間に「ゆとりがない」という者も37.1%に達し,かなりの人々が時間的ゆとりのない生活を送つている。さらに,生活の状況を健康の面からみると,傷病の状況を示す有病率は継続して高まつており,傷病者をかかえる世帯の割合も平均的には約2世帯に1世帯の水準にある( 第12-14表 )。
また,所得や消費の水準が高まつたといつても,それに取り残された階層の存在を忘れてはならない。45年度では全国で約66万世帯,134万人の人々が生活保護制度の下にある。これら世帯の消費内容を一般世帯と比較してみると,一般世帯の消費支出に対する食料費の割合(エンゲル係数)は33.8%であるのに比べ,被保護世帯では48.8%ときわめて高くなつている。一般世帯では耐久財,サービスあるいはレジャーなどに向けて家具・じゆう器,雑費などの構成比が高くなつているものの被保護世帯ではかなり小さい。このように,被保護世帯の消費内容は一般世帯に比べかなり低く,しかもその傾向は高令者世帯に強くあらわれている( 第12-15表 )。
これまでみたように,46年度には景気停滞のなかで家計収支の伸びは従来からの大幅な伸びに比べ低下をみせたものの,相対的には根強い動きを示し,所得水準は高まり,耐久財支出の増加など消費の高度化が進められた。しかし,これらは必ずしもそのまま国民の暮しむきの意識に反映されるものとはなつていなかつたといえよう。