昭和46年
年次経済報告
内外均衡達成への道
昭和46年7月30日
経済企画庁
第2部 経済成長25年の成果と課題
戦後の日本経済は,平均して実質約10%の成長をつづけてきたが,これは欧米先進国の2倍前後にもあたる速い成長であつた。この経済成長はいろいろなものをもたらしたが,重要な成果として,つぎの諸点をあげることができよう。
第1には,生産力が格段に拡充し,物資がきわめて豊富になつたことである。第2には,雇用機会が増大し,所得水準が著しく上昇することによつて,失業と貧乏が解消に向かい,国民全体が経済成長の成果を広く享受できるようになつたことである。第3には,高度成長の成果として輸出競争力が高まり,明治いらい日本経済発展の大きな制約となつていた国際収支赤字と外貨不足の時代が,過去のものとなつてきたことである。