昭和42年
年次経済報告
能率と福祉の向上
経済企画庁
第2部 経済社会の能率と福祉
最近における設備投資の盛り上がりにみられるように,日本経済はいまや景気後退から完全に立ち直り,新しい発展にむかつて成長の軌道を歩みつつある。
しかしながら,日本経済の前途には,資本自由化をはじめとする国際化や労働力人口増加の鈍化といつた基調の変化があり,それらに適応していくために経済のいつそうの能率向上と,それを通じての国民福祉の向上が要請されている。そこで,以下第2部では,経済の能率や国民の福祉が現在どうなつているのか,国民経済の能率をあげる原動力は何なのか,また,経済の高能率が国民の福祉向上に結びつくようにするためにはどのような問題点があるか,などについてみてみよう。