昭和42年
年次経済報告
能率と福祉の向上
経済企画庁
第1部 昭和41年度の日本経済
上期から下期へかけて,景気は一段と力強い上昇をしめしたが,これは日本経済の内部に貯えられた成長の活力を引き出すことに成功したからである。
景気は41年中に回復過程を終り,42年に入ると,台頭した民間需要に支えられて自律的拡大の過程を歩みつつある。なかでも力強い増勢を示しはじめた設備投資の動向が,42年の日本経済を左右する中心的な問題となつてきた。
今回の民間設備投資の増勢は非常に強く,短期的な循環による増加をこえた力が働いているのではないかとみられる。そのような増勢の原因はなんであろうか。また,これにともなつて,日本経済は再び投資リード型の成長経済に戻るのだろうか。以下にその実態を検討してみよう。