昭和42年

年次経済報告

能率と福祉の向上

経済企画庁


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第1部 昭和41年度の日本経済

2. 上昇の主導力と主役の交替

(1) 輸出の需要効果

上期の生産上昇を支えた需要の第1は,輸出であつた。輸出(通関額)の推移をみると,39年度27.5%増,40年度21.4%増,41年度14.2%増で,最近の伸びは鈍つているが,この3年間では実に77%の増加をしめし,32~35年度の42%増,35~38年度の37%増にくらべるといちじるしい増大であつた。

41年度の生産上昇に寄与した輸出の割合は前回の13%の倍に近い23%に達した( 第2図 )。これは近年の輸出の急増で生産に占める輸出の割合がいちじるしく高まつたうえ,鋼材や機械類などを輸出するために必要な生産も大きくなつたからである。重化学工業品は軽工業品にくらべ生産全体を刺激する度合が強いが,38~41年の輸出増加のうち84%は重化学工業品で占められていた。


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