昭和41年

年次経済報告

持続的成長への道

経済企画庁


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持続的成長への道

動態経済における需給バランス

需要と供給の均衡

動態経済における需給バランスの条件は、生産能力と需要とがつり合いがとれて増えていくことだ。

第32表 に示したように高い成長を持続した日本経済でも、いく度か不況を経験している。最も高い成長を持続した日本経済では不況下でも実質成長率がマイナスとなったことは一度もないが、その上昇率は、昭和34〜36年度の年平均14%という高さから、昭和29年度や40年度のように3%前後というように年によって大幅に違っている。

第32表 すう勢成長率と偏差率の国際比較

第38図 実質国民総支出の成長と循環

成長と変動の中心となったものも投資であることは第39図及び第34表からも明らかだ。在庫投資や設備投資は好況期には大幅に増加して不況期には減少した。民間住宅は一貫して増えているが、これも景気変動につれて伸び率に増減がみられる。消費はかなり安定的に年率8.5%のテンポで増加している。政府支出は不況期に増勢が高まり好況期に増勢がおちるという景気変動とは逆の動きを示してきた。景気局面別の国民総支出の変動に対する寄与率をみると第33表の通りで投資が圧倒的に大きい。ただ収縮局面と拡張局面では主役が異なり、前者では在庫投資が後名では設備投資が最大の役割を果たした。

第33表 景気局面別国民総支出変動寄与率(実質)

第34表 実質国民総支出成長率と偏差率

第39図 実質国民総支出のすう勢成長率

こうした変動は、分配面では、法人所得に最も強く現れる。個人業主所得の変動もまた大きい。表にみられるように、四半期別の偏差率は、法人所得14.7%、個人業主所得5.5%となっている。雇用者所得は不況期でも伸び率が鈍ることはなかったが、企業の利潤は、景気上昇期には急増し、下降期には急減するという変動をみせた。

第40図 分配国民所得(名目)のすう勢成長率

第35表 分配国民所得(名目)成長率と偏差率


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