昭和31年
年次経済報告
経済企画庁
国民生活
むすび
昭和30年の国民生活は前述したようにかなりの改善がみられた。所得が増え、消費も控え目ながら増加した。そして現在、消費水準は既に戦前を1割余り上回っており、消費の内容も高級化している。しかし都市の住居生活などにはいまなお不満足な面が残されているし、また最低生活すれすれの低い生活状態にある者の改善も忘れることができない。しかも今後の国民生活の改善には増加する新規労働力に十分な雇用機会を提供していくことが重要な要素となってきている。
こうした国民生活の総合的な向上と発展は、国民経済の安定的発展の持続なくしては困難であろう。