第1章 弱い動きとなった日本経済
2012年の我が国経済は、東日本大震災(以下、「大震災」という)からの復興需要や政策効果の発現により、夏場にかけて景気回復に向けた動きが見られた。しかしながら、年央以降、世界経済の減速等を背景に、輸出、生産を始めとして、下降傾向を示す指標が増え、景気は急速に弱い動きとなっていった。第1章では、まず、我が国経済を振り返り、景気が急激に下向きの動きを強めていった要因を探るとともに、景気のさらなる下振れリスクの大きさを点検する。次に、被災地の復旧・復興の現状と課題について論ずる。最後に、リーマンショックや大震災の後に採られてきた様々な政策の効果やその終了の影響について検討する。