2011年3月に発生した東日本大震災(以下、「震災」という。)により、リーマンショックの影響から立ち直る途上にあった我が国の経済は、需要と供給の両面におけるショックを受けることになった。本章では、こうした震災ショックにより急変動した経済の動きを概観した上で、特に、震災後に更に加速した円高の影響、そして、いまだ完全には解決していない電力供給の問題について検討する。