中長期の経済財政に関する試算

「中長期の経済財政に関する試算」は、今後10年間程度の経済財政の展望を提示するものであり、経済再生と財政健全化の進捗状況の評価や中長期的な経済財政政策の検討のための基礎情報として、その審議を行う経済財政諮問会議に提出されています。

2025年8月試算のポイント

<経済の中長期的な展望>

  • 成長移行ケース:賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行し、実質成長率が2020年代後半に1%台半ば、2030年度以降も1%を安定的に上回る成長(名目成長率は中長期的に2%台後半)。全要素生産性(TFP)上昇率が過去40年平均の1.1%程度まで高まるシナリオ。
  • 過去投影ケース:ゼロ近傍の成長を過去数値より投影し、中長期的に実質0%台半ば、名目0%台後半の成長。TFP上昇率が直近の景気循環の平均並み(0.5%程度)で将来にわたって推移するシナリオ。

経済の中長期的な展望グラフ

<財政の中長期的な展望>

  • 国・地方のPB対GDP比
    • 2024年度決算概要における不用、繰越、税収等を反映。
    • 2025~26年度にかけてPBは着実に改善。堅調に名目成長率が推移することが見込まれる中、歳出改革努力が継続されることにより、2026年度は黒字となる姿となっている。
    • その後、成長移行ケースでは黒字幅が拡大する一方、過去投影ケースでは次第に縮小していく姿となっている。
    (※)「防衛力整備計画」及び「こども未来戦略」、「第1次国土強靱化実施中期計画」は試算に反映している。いわゆる教育無償化(高校無償化、給食無償化等)に伴う歳出増については、安定財源が確保されることを想定し、PBに影響を与えないと仮定している。その他の政府決定がなされていない施策の歳出は織り込んでいない。2026年度のPB対GDP比には、歳出効率化努力について半分程度(0.7兆円程度)を織り込んでいる(これまでの歳出効率化努力の効果とそれによる経済への影響を加味した場合のPB改善効果(1.3兆円程度)については、経済財政諮問会議(2024年4月2日)経済・財政一体改革推進委員会提出資料参照)。
  • 国・地方の公債等残高対GDP比
    • 成長移行ケースではPBが黒字化する中で徐々に低下し、2028年度にはコロナ禍前の水準を下回る。一方、過去投影ケースでは2020年代後半に上昇に転じる。

財政の中長期的な展望グラフ

最新の試算資料

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