中長期の経済財政に関する試算
「中長期の経済財政に関する試算」は、今後10年間程度の経済財政の展望を提示するものであり、経済再生と財政健全化の進捗状況の評価や中長期的な経済財政政策の検討のための基礎情報として、その審議を行う経済財政諮問会議に提出されています。
2024年7月試算のポイント
<経済の中長期的な展望>
- 成長移行ケース:全要素生産性(TFP)上昇率が過去40年平均の1.1%程度まで高まるシナリオ。2030年代以降も実質1%を安定的に上回る成長が確保(名目成長は中長期に2%台後半)。
- 高成長実現ケース:TFP上昇率がデフレ状況に入る前の期間の平均1.4%程度まで高まるシナリオ。中長期的に実質2%程度、名目3%程度の成長。
- 過去投影ケース:TFP上昇率が直近の景気循環の平均並み(0.5%程度)で将来にわたって推移するシナリオ。中長期的に実質0%台半ば、名目0%台後半の成長。
(備考) 1.過去投影、成長移行、高成長実現ケースのTFP上昇率等の前提は、それぞれ、2024年1月試算におけるベースライン、参考、成長実現ケースのそれに相当。 2.高成長実現ケースは、「経済財政モデル(2018年度版)」に掲載されている主要乗数表等を用いた機械的試算。
<財政の中長期的な展望>
- 国・地方のPB対GDP比
- 2023年度決算概要における不用、繰越、税収増等を反映。
- 累次の経済対策にかかる歳出の太宗は2024年度までに執行されるため、2024~25年度にかけてPBが大幅に改善。
- 民需主導の堅調な成長が続く中、一定の前提(※)の下で、2025年度のPBは黒字化する姿となる。その後、成長移行ケースでは黒字幅が拡大する一方、過去投影ケースでは次第に縮小する。
- 国・地方の公債等残高対GDP比
- 成長移行ケースではPBが黒字化する中で徐々に低下するが、過去投影ケースでは試算期間後半に上昇に転じる。
(※) 1.「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(~2025年度)及び「防衛力整備計画」、「こども未来戦略」は試算に反映している。 2.2024年秋に策定を目指す経済対策は試算に織り込まれていない。 3.2025年度のPB対GDP比には、歳出効率化努力の効果について半分程度(0.7兆円程度)を織り込んでいる(これまでの歳出効率化努力とそれによる経済への影響を加味した場合のPB改善効果(1.3兆円程度)については、経済財政諮問会議(4月2日)経済財政一体改革推進委員会提出資料参照)。
最新の試算資料
- 中長期の経済財政に関する試算(令和6年7月29日経済財政諮問会議提出)(PDF形式:1527KB)
ポイント資料 (PDF形式:318KB)
計数表 (Excel形式:59KB)(PDF形式:291KB)