第5章 地域別の人口・経済データ
コラム(人口・経済データで特徴のある市区町村)
【北海道別海町】
北海道における2010年時点の人口指標が10以上で経済指標が50以上と、いずれも好調である自治体は5つあり、別海町はその中でも人口指標が最大である。人口は減少傾向にあるが、出生数(及び普通出生率)は、1980年339人(17.4)、1990年221人(12.7)、2000年155人(10.5)、2010年161人(10.3)となっており、2000年から2010年にかけては人口指標の減少がほぼ無くなり、出生数は向上している。また、経済指標は1980年以降上昇を続け、2010年は58.1である。
別海町は、北海道の東部、根室管内の中央部に位置し、東西61.4km、南北44.3kmに広がり、愛媛県の広さに匹敵する面積1,320km2を有しており、東はオホーツク海に面するほか、根室市、標津町、中標津町、標茶町、浜中町の6市町と接し、野付半島から北方四島の国後島まで約16kmの距離となる北方領土の隣接地域となっている。
内陸部は北海道らしい大平原が広がり、摩周湖の伏流水である豊富な水資源を活かし、63,600haの耕地で約11万頭の乳牛を飼養する、日本一の生乳生産量を誇る酪農地帯を有するとともに、沿岸部はサケ、マス、ホッカイシマエビ、ホタテガイ、ホッキガイなど多種多様な水産物に恵まれた酪農と漁業が基幹産業となっており、乳製品を加工する工場なども多く立地している。
観光は、野付風蓮道立自然公園を中心に展開され、平成14年5月に野付半島の拠点観光となるネイチャーセンターがオープンし、平成23年4月に別海町北方展望塔をメイン施設として、「道の駅おだいとう」がオープンしている。
2010年国勢調査における産業別就業者数及び構成比をみると、第一次産業3,465人(40.9%)、第二次産業1,106人(13.1%)、第三次産業3,894人(46.0%)であり、酪農と漁業が基幹産業であることから、第一次産業の割合が非常に高い。第一次産業は地域に密着しており、3世代同居による家庭内や地域による子育て支援体制が充実している傾向がある。さらに、別海町では基幹産業による経済基盤も安定していることから若年者が定着し、結婚や子育てがしやすい環境が整っていることから出生数が多いものと考えられる。
人口よりも多い11万頭の牛が飼育されている。
秋鮭漁などの沿岸漁業も盛んである。