第11回記者会見要旨:令和8年 会議結果
城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 日時:令和8年7月21日(火)11:57~12:18
- 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室
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1.発言要旨
冒頭、1点ご報告申し上げます。
本日は、経済財政諮問会議と日本成長戦略会議を合同で開催いたしまして、「日本成長戦略」と「経済財政運営と改革の基本方針2026」、いわゆる「骨太方針2026」、この2つを取りまとめました。本日、この後の持ち回りの閣議において、この2つと「規制改革実施計画」を閣議決定する予定でして、本日、合同会議で配られた資料、これだけ大量にございました。まず「日本成長戦略」ですが、「日本列島を、強く豊かに」という、高市内閣の使命を成し遂げるための戦略です。17の戦略分野における62の主要な製品・技術を中心とした官民連携の危機管理投資と成長投資を徹底するとともに、国内投資を全国に拡げていくための8つの分野横断的課題への対応を通じ、未来への投資拡大を実現してまいる考えです。この戦略を実現していくことで、2040年に向け、国民の皆様が豊かさを実感でき、世界が憧れる日本を作っていきたいという思いを込めた、未来の絵姿のイメージ資料もお配りしておりますので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。
そして、「規制改革実施計画」についてですが、「強い経済の実現」と「地方を伸ばし、暮らしを守る」の二本柱の下、時代や環境の変化、テクノロジーの進化に合わせて、規制の緩和・強化・明確化といった適正化も含め、必要となる利用者目線の規制・制度改革を徹底することとしており、「日本成長戦略」の各戦略分野の投資促進につながる事項も積極的に取り込んでおります。
「骨太方針2026」は、概要資料に基づいてご説明いたします。今回の骨太方針は、副題を『「責任ある積極財政」元年~日本の挑戦を起動する!~」です。ちなみに、私のほうで考えた副題はあったのですが、高市総理自らお考えになった形になりまして、『「責任ある積極財政」元年、~日本の挑戦を起動する!~』、これが高市総理のお付けになった副題だということを申し上げたいと思います。投資不足の流れを断ち切るとともに、世界的な産業政策の大競争時代に対応していくため、「責任ある積極財政」の考え方の下、「危機管理投資」や「成長投資」を大胆かつ戦略的に進め、中長期的な成長力強化につなげてまいります。そのためにも、予算の作り方を根本から改め、「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」をバランスよく同時に実現する、との高市内閣の経済財政運営の基本方針を示しております。主な内容として、中段の青枠にございますとおり、「日本成長戦略」を中心とした成長力強化のための施策の具体化を図るとともに、下段に緑枠がございますが、本文第3章を、『「責任ある積極財政」に基づく「中長期経済財政計画」』と位置付け、「強い経済」の実現に向けた取組を支える新たな財政運営の仕組みを一体的に示している点に大きな特色があります。こうした取組を通じて、2040年度に、名目GDP1,100兆円に迫る経済成長を実現するとともに、債務残高対GDP比の安定的低下を実現し、「経済成長」と「財政の持続可能性」の双方を実現する、経済・財政の姿を目指すこととしております。また、今回の骨太方針に基づき、具体的にどのような政策が進んでいくのかについては、国民の皆様に分かりやすくお示しするため、図表などを入れました、A4横型の「政策ファイル」を作成しております。この「政策ファイル」も、骨太方針の本文、概要資料とともに、内閣府のホームページに公表する予定ですので、ぜひご関心のある方はご覧になっていただきたいと思います。いずれにしましても、高市内閣の経済財政運営が国民の皆様にご理解いただけるよう、担当大臣である私がやはり先頭に立って、様々なツールを活用・駆使し、積極的な情報発信に努めてまいりたいと思います。報道各位におかれましては、何卒、ご協力をよろしくお願いいたします。本日の合同会議の詳細については、後ほど事務方から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
2.質疑応答
(問)まだ閣議決定前のようですので、あくまで見通しということでお伺いいたしますが、骨太方針で最終盤になって、大臣も会見でもご説明いただきましたが、日本銀行の運営の自主性について記述した日本銀行法第3条を注釈の形で付け加えるというようなことにした狙いについて、改めてご説明ください。関連して、大臣は、前回、前々回ですか、の会見で市場の誤解があるとご説明されていましたが、これによって誤解は解けるとお考えでしょうか。
(答)まず、この修正の点でございますけれども、今回、2ページの脚注3といたしまして、日本銀行法第3条の条文を引用し、「金融政策の具体的な手法については日本銀行に委ねられる。」と追記をいたしました。この修正は、6月30日にお示ししました、骨太の方針の原案について与党の会議においていただいたご意見やご指摘を踏まえた修正の中の一つです。改めて申し上げますけれども、日本銀行法第3条に記載されているとおり、日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は尊重されなければならない。これに基づき、金融政策の具体的手法は日本銀行に委ねられるべきと、私もこの記者会見の場で縷々申し上げてきておりますので、そうした政府の立場に変わりはございません。金融政策の記載については、元々、こうした考え方の下に作成されておりますが、先ほど申しましたように、与党の会議においてそうしたご指摘もございましたので、改めて明記することとしたものです。いずれにしましても、一般論ではありますけれども、為替レートについては、内外の金利・インフレ率の差、経常収支の動向等の様々な要因により決まると言われております。また、長期金利についても、期待成長率あるいは期待インフレ率、リスクプレミアムなど、様々な要因で決まると言われております。現状、景気が緩やかな回復局面にある中で、こうした様々な要因も踏まえた需給双方の動きによって市場価格は決まるものと承知しており、その日々の動向だけでなく、今後の見込みについても私の立場からコメントすることは大変恐縮ですが、差し控えたいと思います。
(問)先ほどの合同会議の総理のご発言で、城内大臣への指示として、投資事業計画や主な予算事業等を盛り込んだ複数年度での「日本成長戦略実行計画」を年末に向けた予算編成過程において取りまとめてくださいというご指示があったと思いますが、これについて可能な範囲で結構ですが、年末に向けた予算編成過程でというのは、具体的にいつまでに、どのような内容をどういう場で議論して決めるのかということを教えてください。それと、冒頭発言で、副題については高市総理案だとおっしゃいましたが、城内大臣の案は何だったのか、可能であれば教えてください。
(答)今、ご指摘の「日本成長戦略実行計画」ですが、これは17の戦略分野と8つの分野横断的課題への対応のうち、主要な政策について投資事業計画や主な予算事業等を盛り込んだ複数年度での計画、これは各担当大臣からの提案を踏まえて、年末に向けた予算編成過程を取りまとめていくということですが、内容・スケジュールについては、今後、さらに検討した上で具体化していきたいとの考えであり、またそれが具体化された際には、こういった記者会見の場でご報告させていただきたいと思います。そして、私の案は、副題ですが、「強い経済の実現で、日本と日本人の底力を解き放つ」というのが一つで、二つ目が「強い経済と財政の持続可能性の一体的実現」、三つ目が「責任ある積極財政元年、強い経済と財政の持続可能性の両立に向けて」、他にも二つ入れて五つあるのですが、これは事務方とも相談して挙げましたけれども、自分のセンスのなさに恥ずかしいなと思いましたけど、少し付け加えさせていただくと、この副題ですけれども、「起動する!」とビックリマークも付いていて、スイッチを入れるという感じがして、非常に動態的でいいなと。個人的には、こちらのほうがはるかに良いと感じました。
(問)これから閣議決定する骨太方針に向けて、改めて全体をまとめた後での受け止めと、あとはこれを実現していくための課題だったりとか重視していくことというのを伺いたいのと、あと財政の目標が、今回転換が見られたと思うんですけれども、これを目標の達成に向けて具体的に、内閣としてのどのように分析していくのかとか、どういうふうに点検していくのか、そうした手法についての考え方を伺えたらと思います。
(答)冒頭発言でも申し上げましたけれども、今回の骨太方針は、「責任ある積極財政」の考え方の下で、様々なリスクを最小化する危機管理投資や先端技術を花開かせる成長投資、この二つを大胆かつ戦略的に進め、中長期的な成長力効果につなげていく、そのためにも、予算の作り方を根本から改め、「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」をしっかりバランスよく両立させ、実現する。こういった高市内閣の経済財政運営の基本方針を明確に示したものであると考えております。この「責任ある積極財政」を実効性のあるものとするために、来年度予算に向けた議論を今年後半の経済財政諮問会議で進めてまいりまして、その成果も踏まえ、予算編成の基本方針について必要な改定を行っていく考えです。また、来年度以降は、「中長期経済財政計画」についても一方のミクロ面、そしてもう一方のマクロ面、両面から、その進捗状況を毎年度、しっかりと点検することとしており、こうした取組を通じ、繰り返しになりますけれども、「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」を一体的に実現してまいる考えです。また、「日本成長戦略」についてですが、我が国の経済の成長に向けて、これまで圧倒的に国内投資が足りませんでしたので、未来への投資不足の流れを断ち切り、国内投資の促進に徹底的なてこ入れをしていく。今申し上げたようなことを高市総理が何度も国会答弁等の場で申し上げておりますが、このため、17の戦略分野を中心とする「危機管理投資」・「成長投資」を促進し、さらに横串も刺すということが必要ですので、8つの分野横断的課題に対応することを通じ、国内投資を一部の大都会だけではなく、地方、全国に拡大すべく必要な政策を盛り込んだところでございます。今後は、着実かつスピード感を持って「日本成長戦略」を実行していくことが重要であり、総理からご指示いただいたとおり、「17の戦略分野」と「8つの分野横断的課題」への対応のうち主要な政策については、先ほども申しましたが、「投資事業計画」や「主な予算事業」等を盛り込んだ複数年度での「日本成長戦略実行計画」を年末に向けた「予算編成過程」において取りまとめて、国が一歩前に出て、国内投資を強力に後押ししていく考えです。
2つ目のご質問ですが、「骨太方針2026」においては、財政運営の目標として、国・地方の総債務残高対GDP比の安定的低下を中核と位置付けております。プライマリーバランスについては、債務残高対GDP比の安定的低下に向けて確認する指標とし、その安定的な低下と整合するよう、複数年で改善・管理していくこととしております。財政の持続可能性に関する分析については、国際的に標準的な、いわゆるグローバルスタンダード的な分析手法を活用しつつ、経済成長、金利、部門別収支等の経済動向と、債務残高対GDP比、プライマリーバランス、財政収支、利払い費、公債依存度、国債発行額、税収等、そうした様々な財政指標を多角的に分析・検証し、マーケットからの信認を確保していく考えです。人間で言えば、例えば健康診断ですけれども、肝臓の数値といってもγ-GTP、ASTやALTなど様々な指標がございますので、何か一つだけの指標を取るというのではなく、様々な指標を多角的に分析・検証していくことが大事であり、これがまたグローバルなトレンド、標準であると認識しております。
(問)1点伺いたいのですが、成長戦略及び成長施策を実行していくと当然、地球温暖化のCO2排出というのが避けられない。これは国際的にも削減目標が設定されていて、日本もそこにプレッジしているということですよね。そこは大臣、よくご存知だと思うけど。これはやっぱり、その削減目標なり、これだけ猛暑になってきている温暖化対策との整合性というのが必要だと思うのですが、その辺の認識とどういう対応を用意しているか、それをお伺いします。
(答)これも当然のことでございまして、私も環境副大臣を以前、務めておりましたので、脱炭素化、気候温暖化問題については、当然しっかり取り組んでまいらなければならないという認識です。
一部、17の戦略分野に脱炭素という分野がないというようなご指摘がございましたけれども、実は、例えば造船の分野について言いますと、水素、アンモニア、環境にやさしい、脱炭素の技術を使った造船を、いわゆる勝ち筋の62の製品・技術に入れる。17の分野に脱炭素という切り口はございませんが、やはり最初に「新技術立国・競争力強化」というものが8つの分野横断的課題の中にあり、そういったところにももちろん脱炭素の研究開発、技術立国、それを通じて世界と競争していく、脱炭素の要素、環境にやさしい技術を使った製品・技術を開発し、世界のマーケットを獲得していくということですので、当然のものとして私は認識しておりますので、ご懸念には及ばないとご理解いただければ幸いです。
(以上)
3.堤内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明
議題の2つ目として骨太の審議を行ったところです。
4人の民間議員が出席し、発言がありましたので紹介いたします。
1人目の民間議員です。
骨太2026は、「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」をバランスよく同時に実現するために、必要な施策を盛り込んでおり、高く評価する。その上で、中長期経済財政計画に絞って2点申し上げる。
1点目に、財政の持続可能性や市場の信認をさらにしっかり確保するため、真に効果性のあるワイズスペンディングや、歳出の全体最適に資する分析・検証等の枠組みを整えるべき。以前、民間議員から提案した第三者レビュー、独立的な効果機能の在り方について検討を深めてほしい。
2点目に、税・財政・社会保障の一体改革をさらに推進する。これは社会保障負担率の目標策定や当面の改革項目の具体化、工程の明確化にとどまるものであってはならない。より中長期的な視点から、制度横断的に重複感のない、持続可能な全世代型社会保障制度を構築することが極めて重要。社会保障国民会議にて引き続き応能負担の徹底をはじめ、税・財政・社会保障を一体的に捉えた大きな改革の議論を期待する。
2人目の民間議員です。
成長戦略の推進についてのコメントがありました。
先日報道されたクールジャパン機構の事例が示すように、明確な規律や出口戦略なき資金供給は、政策目的の達成を阻む可能性がある。高市政権では、この失敗を教訓とし、5W1Hを念頭に置いたPDCAと戦略運営のポートフォリオ管理の2点を徹底して実行に移すべき。
実際に諸外国の事例を見渡すと、こうした規律の仕組みの整備がグローバルスタンダードとなっている。例えばアメリカのCHIPS法などでは、投資や生産量をマイルストーンとして、達成状況を段階的かつ明確に、資金交付や返還条件と結びつけている。また、イギリスの産業戦略諮問会議によるエビデンス検証、フランスのフランス2030におけるKPI管理などがあり、こういった進捗管理が確実な成果を上げている。
これから高市政権の成長戦略が本格的な実行段階に移るが、17分野62技術に及ぶ先端分野への投資において全てが成功するとは限らず、成果を出すことが困難になる分野が出てくる可能性もある中、それ自体に目くじらを立てる必要はない。厳格なPDCAを回し、戦略分野全体を1つのポートフォリオとして捉えることで、状況変化に応じて効果的に予算を組み替えていくというガバナンスが重要と考えている。今回の骨太の方針、方向性を強力に後押しして、責任ある積極財政を担保するためにも、海外並みの仕組みの早期具体化が強く求められる。
3人目の民間議員です。
骨太方針と日本成長戦略は日本の国家戦略である。戦略で重要なことは、やらないことを決めることでもある。限られた資源をこれらの計画に盛り込まれたことに集中的に投資し、やらないことも明確にして、メリハリをつけて実行していただきたい。
スタートアップについて、政策推進分科会を中心に、日本成長戦略会議においてスタートアップ振興のための政策を熱心に議論いただいたこと、及びその議論も踏まえ、骨太方針においても強い経済の実現の牽引役であるスタートアップの振興に向けた取組を力強く打ち出していただいたことに感謝。
国家戦略である成長戦略及び骨太の方針に盛り込まれた施策を、日本を世界有数の知的創造・イノベーションの拠点とするという目標を常に念頭に置いた上で、着実かつ大胆に実行していただきたい。
副題にある「日本の挑戦を起動する!」に関し、その担い手である人材育成・教育については、公教育の再生において人社系のダウンサイジングや私学助成の成長分野等への重点化などが盛り込まれた。この目的は、文理分断型の、人文社会科学系の入学定員が多い構造を転換し、文理分断からの脱却を図り、社会学、経済学、哲学など、素養のある工学の専門家やAIデータサイエンスを理解できるビジネスパーソンの育成を図ることが目的と認識している。政府として文系より理系が重要と考えていると誤解されることのないよう、考え方を国民に分かりやすい形で積極的に発信いただきたい。
最後に、4人目の民間議員です。
高市内閣初の骨太方針は、長年の国内投資不足とデフレマインドから脱却し、我が国の経済財政運営を成長マインドへと転換する重要な文書であると高く評価。世界の政治経済を取り巻く環境が大きく変化する中、17の戦略分野について政府が方向性と予見可能性を示し、危機管理投資・成長投資を進め、民間投資を引き出していくことが重要。必要な投資を継続するためには財政の持続可能性を確保し、経済財政運営への信頼を高めていくことが不可欠。
債務残高対GDP比を中核に据え、安定的に低下させるという枠組みが示され、PBについては複数年度で管理し、財政収支や利払い費なども含め、多角的に分析していくという方針を評価。今回の方針は、PB単年度の黒字化を求めるよりも、より財政規律に配慮したものであることを申し上げたい。
中長期経済財政計画について、毎年度の進捗を管理し、5年ごとに包括的に検証する枠組みが示された。財政の経路を継続的に検証するとともに、17の戦略分野について、民間投資の進捗や政策効果を確認しながら、全体のポートフォリオとして運営していくことが重要。
経済の主役は民間企業。規制改革やコーポレートガバナンス改革も引き続き進め、8つの分野横断的課題への取組を具体化することで、民間企業がその力を十分に発揮できる環境が整うことを期待。今後この方針を予算編成や官民投資ロードマップの具体的な実行につなげ、点検結果を政策運営に反映することで、政策の透明性と予見可能性を高め、着実に成果を積み重ねていただきたい。
最後、総理の締めくくり発言は既にお聞きかと思いますので、割愛します。
以上です。