第10回記者会見要旨:令和8年 会議結果
城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 日時:令和8年6月30日(火)18:36~18:54
- 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室
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1.発言要旨
本日は、5点報告します。5点報告するのは多分新記録ではないかと思いますが、まず1点目、「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」の概要についてご報告いたします。経済の基調判断については、「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。」と先月から判断を維持しております。本日の会議で、私から、原油やナフサの国際価格は、中東情勢の緊迫化以前の水準に近づいている点、我が国の石油・化学製品の生産は、原料代替調達の進展もあって、4月を底に増加に転じる動きとなっており、中東情勢による生産への影響は、現時点では限定的と言える点、米イラン合意前の原油等の価格上昇の影響が企業物価等に現れ始めているが、消費者物価については、激変緩和措置によって緩やかな上昇に抑制されており、賃上げの進展とともに、実質賃金はプラスを維持している点を説明いたしました。中東情勢については、米国・イラン間の覚書が着実に履行され、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が速やかに再開されることを強く期待するところであります。引き続き、中東情勢が我が国経済・物価に与える影響を注視してまいります。この他、会議の詳細については、後ほど事務方からご説明させていただきます。
2点目、本日、第6回日本成長戦略会議を開催し、日本成長戦略本文について、議論いたしました。まず、今回の日本成長戦略原案の最大のポイントは、国内民間投資を引き出し、それを起点として「強い経済」を構築することです。17の戦略分野においては、危機管理投資・成長投資を徹底的にてこ入れし、自律性・不可欠性を起点とした成長、イノベーションを通じた成長につなげてまいります。また、8つの分野横断的な課題への対応も進め、こうした国内投資を日本全国に拡大いたします。特に、賃上げ環境整備の分野では、最低賃金について、「2020年代に全国平均1,500円という高い目標の達成に向け、官民でたゆまぬ努力を継続し、労働生産性の継続的な向上を図ることで、遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成する」との目標は、政府が中期的に達成を目指すものとして掲げるものです。この達成に向け、官民でたゆまぬ努力を継続し、労働生産性の継続的な向上を図ります。政府としては、引き続き、中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化を通じて、賃上げ環境の整備を進めてまいります。そして、『「強く豊かな日本」投資枠』の創設や、官民連携の徹底的な強化などを通じ、PDCAサイクルをしっかりと回しながら、未来への投資拡大を実現してまいります。本日の会議では、有識者の方々から貴重なご意見をいただきました。その中で、筒井委員から、国内投資目標について、経団連として、2040年度250兆円という、従来の目標である200兆円を大きく上回る、野心的な国内投資の目標を目指していくことを表明いただきました。本日の議論を踏まえ、高市総理からは、経団連の投資目標の実現に向けて、政府としても、さらに官民の連携を、これまでにないほど徹底的に強化していくとのご発言がございました。賃上げ環境整備に関して、高市内閣は、賃上げの責任を事業者の皆様に丸投げせず、「継続的に賃上げできる環境」を整備していくとのご発言がございました。また、関係大臣に対して、地方においても、「投資と賃上げの好循環」を実現するため、エッセンシャル・サービスを含む12業種の『省力化投資促進プラン』について、更なる充実・拡充を早急に検討し、必要な予算要求を行うようご指示がございました。さらに、全閣僚に対して、『「強く豊かな日本」投資枠』の初年度となる予算編成に向けて、産業界ともしっかりと対話を進めながら、予見可能性の高い、複数年での事業計画、予算計画を策定するなど、概算要求に向けた準備を加速するようご指示がございました。
3点目、令和8年第10回経済財政諮問会議についてです。本日は、「骨太方針2026の原案」について議論を行いました。今年の「骨太方針」は、「強い経済」の実現に向けた政策の方向性を示すとともに、財政運営目標の設定、『「強く豊かな日本」投資枠』の創設など、「強い経済」と「財政の持続可能性」を一体的に実現する経済財政運営の取組を、責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」と位置づけて、新たな経済財政運営の抜本的な転換を図ることを示しております。総理からは、「骨太方針」が国民の皆様に対し、高市内閣における経済財政運営の方向性を「明確かつ分かりやすく」お示しするものとなるよう、私を中心に、与党とも連携しつつ、閣議決定に向けて最終調整を行うよう、ご指示がございました。なお、諮問会議の詳細については、後ほど事務方からご説明させていただきます。
4点目、昨日、第28回規制改革推進会議を開催し、「規制改革推進に関する答申」が決定されました。政府として、今回の答申を踏まえ、『規制改革実施計画』として速やかに閣議決定し、スピード感を持って実行に移してまいります。
最後に5点目、昨日、第2回人口戦略本部を持ち回り開催いたしました。高市総理から私に対して、関係閣僚と連携し、有識者会議を含め人口戦略本部における推進体制を強化し、令和8年末をめどに一貫した総合的な戦略を策定すべく検討を進める、その際、将来必要となる労働力人口の規模についても検討する、ようご指示がございました。また、関係閣僚に対して、戦略を策定した後、令和9年度から取組を推進することができるよう、同年度予算要求における対応を含め、必要な取組を検討するよう指示がございました。私としても、高市総理のご指示を踏まえ、関係閣僚とも連携して、各府省庁における検討の総括等を今後行ってまいります。詳細については事務方にお尋ねいただければ幸いです。
2.質疑応答
(問)骨太の方針で、日本銀行との連携についての文言が昨年より少し変わっていて、強い経済の実現に向けて金融政策が適切に行われることが非常に重要とあります。また、日銀法や共同声明にも触れて、政府との緊密な連携についても強調されるような形となっていますが、そういった記述にあった背景と、あとは高市政権下での政府と日銀の連携の在り方についてお伺いします。
(答)今ご指摘がございましたとおり、本日お示しした骨太方針の原案では、「強い経済」の実現に向けては、適切な金融政策運営が行われることも非常に重要であるとの記載がございます。この点については、昨年の総合経済対策においても、今後の強い経済成長と物価安定の両立の実現に向けて、適切な金融政策運営が行われることが非常に重要であると記載しており、私からも同様の趣旨をこれまでこの記者会見などの場でも申し上げてきたところでございます。政府としては、引き続き、日本銀行と緊密に連携し、デフレに後戻りすることのない物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、一体となって取り組んでまいります。繰り返し述べておりますが、日本銀行には、日本銀行法第4条及び政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って、政府と緊密に連携し、十分な意思疎通を図りながら、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を行うことを期待しております。
(問)本日、諮問会議の骨太の方針の原案の中で、景気の状況や成長投資の必要性によってPBの一時的な悪化も許容し得ると明記されています。財政目標このように位置づけられた狙いと率直な思いがございましたらお願いいたします。
(答)骨太方針の原案において、PBは、債務残高対GDP比の低下に向けて確認する指標とし、その安定的低下と整合するよう複数年で管理することとしております。国際経済動向、地政学的な状況、あるいは災害やパンデミックなどによって生じうる景気変動等を踏まえると、単年度のPB 黒字化時期を機械的に追うのではなく、PBの一時的悪化も許容しうるものとしつつ、債務残高対GDP比の安定的な低下に向けて、PBを改善・管理することが重要だと考えております。なお、債務残高対GDP比は、政府が負う債務と、その返済の原資となる税収を生み出す元となる国の経済規模との関係を示す指標であり、PBに純利払い費を加味した財政収支を踏まえて、財政運営を評価するものです。いずれにしても、「責任ある積極財政」の考え方の下、国内投資の促進に徹底的にてこ入れし、我が国の供給構造を強化しながら、潜在成長率を引き上げていく。そうすることで、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑え、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく考えです。
(問)骨太方針の原案についての質問です。今回の原案では、従来、骨太の初回から使われていた財政の健全化という表現が、完全に姿を消して、基本的には「財政の持続可能性」という言葉に置き換えられていると思います。そういう認識でいいかということと、その理由について、健全化という言葉ではどこが不適切だったのかっていうことがあればご説明ください。
(答)高市内閣では、「責任ある積極財政」の考え方の下、国内投資の促進に徹底的にてこ入れし、我が国の供給構造を強化しながら潜在成長を引き上げていく。そうすることで、成長率の範囲に債務残高の伸び率を確実に抑え、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくとしております。今、ご指摘の財政健全化いう用語ですが、これを否定しているわけではございませんが、より具体的なものにフォーカスをしているということで、財政の持続可能性を重視する中で、骨太方針の原案においても、「財政の持続可能性」という用語で統一しているということです。なお、諸外国でも、財政の持続可能性(フィスカルサステナビリティ)という考え方が広く用いられており、財政の持続可能性に関する報告書が作成されていると承知しております。いずれにしても、繰り返しになりますが、財政健全化という用語を否定しているわけではございませんので、「財政の持続可能性」という、より具体的なものに焦点を当てているということでご理解いただければ幸いでございます。
(問)先ほどのやりとりについての質問なんですが、日銀について、大臣、今日に限らずですけど、日銀法第4条にはよく言及されるんですが、日銀の自主性を謳った第3条についてはどのようなご見解をお持ちか、もしお答え可能であれば教えていただきたいと思います。
(答)ご指摘のように、日銀法第3条に日銀の自主性というのがございます。したがいまして、これまでも何度も申しましたように、金融政策の具体的な手法については、当然、日本銀行に委ねられるべきものと理解しております。他方で、先ほど申しましたように、日銀法第4条もございます。その上で、当面の経済財政運営は、「強い経済」の実現を目指しており、そのためにも、安定的な物価上昇の実現に資する適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要であり、この点は一般論として、以前からもこういった記者会見の場で申し上げたところでございます。繰り返しになりますが、金融政策の具体的な手法については、日本銀行に委ねられるべきと考えております。
(問)月例経済報告に関連して、国内の景気循環についてお伺いします。仮に6月まで景気拡大が続いていれば期間は73か月となり、戦後最長の「いざなみ景気」と並びます。足元の景気拡大期間が「いざなみ景気」に並んだ可能性と、7月まで景気拡大が続いて戦後最長を更新する可能性について、現時点での大臣のお考えを教えてください。
(答)景気の正式な「山と谷」、すなわち景気基準日付については、内閣府経済社会総合研究所において、経済・統計の専門家による事後的な検証を経た上で、決定されることになります。直近の景気の谷は2020年5月ですが、それが正式に決定されたのは、その2年2か月後の2022年7月であり、検証に必要なデータの蓄積や議論には一定の時間がかかるということはご留意いただきたいと思います。その上で申し上げますと、2020年5月はコロナ禍の最初の感染拡大期であり、行動制限による景気の落込みが極めて大きかった時期でもあります。その後、コロナ禍からの回復とともに、基本的には、景気は持ち直し、緩やかな回復過程に入ってきたと考えており、これまでの月例経済報告においても、こうした景気認識をお示ししてきたところでございます。
3.水田大臣官房審議官(経済財政運営担当)による追加説明
令和8年第10回経済財政諮問会議について概要を報告いたします。
本日は、骨太方針の原案について意見交換を行いました。主な意見をご紹介いたします。
1人目の民間議員です。
去年の高市政権下での初めての諮問会議で、中長期の視点と日本全体の視点を重視したいと申し上げた。今回の骨太はこういった視点が反映され、日本成長戦略を基軸にして官民連携による「強い経済」の実現、新たに「責任ある積極財政」に基づく「中長期経済財政計画」を作成し、予算編成は抜本的に見直す、そのような考えを力強く打ち出している。これまでにない画期的な内容であり、高く評価したい。その上で2点申し上げる。
1点目は、投資牽引型経済の実現を通じた潜在成長率の引上げについて、今後、日本成長戦略に基づき、官民投資ロードマップや地域未来戦略といった関連する政策パッケージを連動させ、強力に推進していく必要がある。民間企業も成長戦略の推進による予見可能性の向上を追い風にして自らマインドセットを転換し、国内設備投資、研究開発投資、さらには賃金引上げを含む人的投資を積極果敢に拡大させ、国内設備投資額250兆円という高い目標を掲げて取り組んでいくべき。
2点目です。税・財政・社会保障一体改革のさらなる推進について、給付付き税額控除は大きな課題。改革の手を決して緩めず、持続可能で公正・公平な全世代型社会保障制度への改革にギアを上げて取り組むべき。すなわち、個別項目の改革にとどまらず、国民に対して全体を俯瞰した社会保障の将来像を示すべき。まさに中福祉中負担程度で、国民が納得できる給付と負担のあるべき姿について、諮問会議や国民会議で、税と社会保障を一体的に捉えた議論を継続していただきたい。中心的な課題は、今後の人口減少下でも持続可能な社会保障の財政基盤と医療・介護の提供体制の確保である。その実現に向けて世代内や世代間の給付と負担の見直しや労働供給制約の緩和が必要。同時に効率的なサービス提供、公正・公平な応能負担を実現するため、マイナンバーをはじめ、デジタル技術を駆使した情報連携・利活用の徹底が不可欠。
2人目の民間議員です。
以下3点の発言がありました。1点目は、「責任ある積極財政」へのコペルニクス的転回である。官民が連携した大規模かつ長期の産業政策は、主要国における大きな潮流である。「責任ある積極財政」の下で、政府が一歩前に出て、官民が共に戦略分野に投資していくことが必要である。また、財政単年度主義の弊害の是正が必要である。令和9年度予算は、「責任ある積極財政元年」として、「中長期経済財政計画」の下で持続的な経済成長と財政の持続可能性を同時に達成することが重要である。
2点目は、「強い経済」の実現のための地域経済の構築である。47都道府県のどこに住んでも安全に生活できて仕事がある社会が、高市政権が目指す日本の姿であると考えている。地域未来戦略を推進し、戦略産業クラスター計画、地域未来交付金の拡充、特区制度を活用した規制改革などを一体的に推進することが必要。また、労働供給制約に立ち向かうため、賃上げを供給力強化と位置づけ、省力化投資促進プランを推進し、地域のAI導入を支援するべき。また、エネルギーについて、安全性の確保や地域の理解を大前提に原子炉の再稼働加速や次世代革新炉の開発・設置にも取り組み、供給構造を強靱化することも重要である。
3点目は、予算編成の抜本見直しである。債務残高対GDP比の安定的低下を中核に据え、持続可能な財政を構築し、予算編成については物価・賃金上昇を的確に反映し、経済の成長力強化と名目の経済規模の拡大にふさわしいものへと転換する。そして、国内投資を通じて潜在成長率を引き上げる。また、予算の予見可能性を高めるべく、シーリングを設けない『「強く豊かな日本」投資枠』を創設することが重要。予算の透明性と規律を確保するため、補正予算は真に緊要性の高い施策に限定し、恒常的な施策については当初予算で措置するべきである。さらに、予算の予見可能性を確保するために複数年度での予算を活用する。これらによって2040年度には国内民間設備投資額は年間230兆円、GDPは1100兆円に迫る経済成長が実現し、かつ、債務残高対GDP比が安定的に低下するとの試算が内閣府から示されている。これは「強い経済」と「財政の持続可能性」が両立するということが示されているということであり、極めて重要である。
3人目の民間議員です。
高市政権初の骨太方針であり、簡潔なメッセージで「強い経済」に向けた方向性が明確に示された。掲げられた政策については着実な実行が求められる。スタートアップ政策については、海外トップベンチャーキャピタルの呼び込みやM&A市場の活性化といった取組を、他国並みにとどまらず、世界を圧倒する水準で実行すべき。また、具体的な数値目標は確実に達成されるべき。特に公共調達に占めるスタートアップ比率3%目標は、政府自らの意思で実現できるため、確実に取り組むべき。
次に、市場の信認についてです。「責任ある積極財政」は市場の信認が大前提。「強い経済」の実現と「財政の持続可能性」を両立する観点から、財政運営の目標として債務残高対GDP比の安定的引下げを中核に位置づけるとともに、経済動向と財政指標を多角的に分析・検討するとの内容が盛り込まれたが、市場の反応や財政指標を踏まえて、必要あらば政策を不断に見直しを行う必要があると理解している。その際には日本版DOGEの役割に期待しており、無駄な事業や補助金は見直されるべき。
次に、AIについて、従前から重要性を強調してきたが、フィジカルAIやバーティカルAIについて打ち出していただき感謝する。他方、日本は米国、中国、ドイツと比べても生成AIの普及が遅れている。小さなことから始めて、緒戦の勝利を積み重ねることが有効であり、国レベルでも同様であると考えている。国民や事業者が実感できるような成功体験を積み重ねるべき。
最後に、優秀な外国人材の呼び込みについて、外国人政策が治安・安全の確保に位置づけられている。治安・安全は日本の魅力であり、違法行為などに厳然な対応が重要なことは言うまでもない。他方で、日本がイノベーション拠点となるために必要な人材を呼び込んでいく上では、本人の家族やスタッフを含めてホスピタリティーを持って迎え入れることが重要であり、日本が優秀な外国人への門戸に関して慎重であると誤解されないようにすべき。
4人目の民間議員です。
これまで日本には成長の底力があるものの、世界標準のマクロ経済政策が実装されていないことが問題であると指摘してきた。今回の骨太方針は、日本のマクロ経済政策を世界標準にキャッチアップし、アップデートし、イノベートするものであるとして高く評価している。昨年11月以降、経済財政諮問会議においては、日本経済を強くし、財政の信認を確保する方法について議論してきた。本年3月の特別セッションにご参加いただいたブランシャール教授やロゴフ教授からも、成長に必要な投資と債務残高対GDP比の安定的な低下を通じた財政への信認確保という高市政権の政策の方向性は、十分実行可能な枠組みであると評価をいただいたところ。今回の骨太方針は、デフレ・低成長時代の政策運営から、成長型経済にふさわしい政策運営へとコペルニクス的転回を図るものとなる。
次に、以下の4点を統合的に進めるべき。第1に、マクロ経済の安定である。「責任ある積極財政」は単なる歳出拡大ではなく、危機管理投資や成長投資を行い、潜在成長率を高める一方で、債務残高対GDP比の安定的な低下を中核に位置づけ、複数年の視点で財政運営を点検していくもの。どのような政策に投資し、何を評価するのか政府は明確にすべき。また、日本銀行と緊密に連携し対応を進めるべき。
第2に、成長力の強化。日本成長戦略、地域未来戦略、規制改革を通じて民間投資を誘発し、地方の稼ぐ力を高めるべき。その際、計画を固定的に当てはめるのではなく、必要であれば追加的に投資をし、効果がないようであれば投資分野を組み替えるなどの修正を速やかに行うべき。
第3に、所得の向上と分配。社会保障改革や税給付の在り方は、負担を抑え、給付を削るという発想ではなく、経済を成長させ、可処分所得を増やし、将来不安を和らげるものとして認識すべき。給付付き税額控除を含め、手取りを高めるといった方向で考えるべき。
第4に、分析力の強化。政府は国内外の専門的知見を取り入れるとともに、中長期試算についてはモデルの在り方を含めてその内容をアップデートし、政策運営の基盤として高度化すべき。今回の骨太は「責任ある積極財政」を実行段階に移す重要なものである。この考え方が、確実に令和9年度の予算編成や政策評価に接続されることが重要。
続いて、閣僚の発言です。
赤澤経済産業大臣からです。
今回の骨太の方針の原案では、『「強く豊かな日本」投資枠』の創設をはじめとした国内投資の促進に関する取組が盛り込まれており、これら取組の実施を通じて国内の民間設備投資や潜在成長率を引き上げ、日本経済の成長軌道をより確かなものとしていく。
また、賃上げが単なる分配政策ではなく、人材を引きつけ、生産性向上投資を促し、企業の行動変容を促進する「供給力強化政策」そのものであり、国や企業の成長戦略の起点であることは強調したい。2025年10月に日銀が公表した展望レポートによると、実際に最低賃金の上昇への対応として設備投資による合理化に取り組む企業も少なからず存在し、最低賃金への引上げにより設備投資が促進されることも期待される。賃上げを促進すべく、事業再構築、生産性向上、事業再編等に取り組む中堅・中小企業を徹底的に支援し、必要な連携と再編を促すことで稼ぐ力の強化と賃上げの好循環を目指す。
その上で、今般の中東情勢は改めて日本の資源エネルギー対外依存度の高さや調達先の集中から生じる脆弱性を認識させられる機会となった。エネルギー供給構造の強靱化は極めて重要な課題であり、エネルギー効率の抜本強化と石油等の上流権益の確保や供給源の多様化、安定的な輸送・流通体制の確保を図っていく。こうした取組の着実な実行を通じ、強い経済の位置づけに取り組んでまいりたい。
続いて、片山財務大臣です。
低迷する潜在成長率を引き上げ、強い経済を実現するためには、本日示された原案にあるような様々な取組を進める必要がある。あわせて、将来世代への責任を果たす持続可能な経済社会を構築するため、「責任ある積極財政」の考え方の下、「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」をバランスよく同時に実現していくことが求められる。
本日示された原案にもあるように補正予算に依存した財政運営から脱却し、恒常的な施策については当初予算で措置すること、特に国内投資を通じた潜在成長率の引上げにつながる施策を予見可能性を持って実施できるよう、通常歳出とは別に『「強く豊かな日本」投資枠』を創設すること、今後の予算編成に当たっては、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査し、市場の信認確保に配意しつつ、通年の国債発行額などを具体化することが重要。
引き続き「責任ある積極財政」の考え方の下、戦略的に財政出動を行い、「強い経済」を構築すると同時に「財政の持続可能性」を実現していく。
最後に総理から締めくくりのご発言がございましたが、皆様にお聞きいただいたとおりでありますので、割愛いたします。
私からは以上でございます。
(以上)