第8回記者会見要旨:令和8年 会議結果

城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨

1.発言要旨

 私から冒頭、1点ご報告いたします。本日、第8回経済財政諮問会議・第5回日本成長戦略会議の合同会議を開催し、戦略17分野の「主要な製品・技術等」における官民投資額、日本成長戦略の下での中長期的な経済・財政の姿に関する試算、地域未来戦略の政策パッケージについて、議論いたしました。有識者の方々から貴重なご意見をいただいた後、高市総理から、これまでの議論を総括したご発言がございました。本日の総理からのご発言のポイントをまとめた資料をお手元に配布しておりますので、これに沿ってご説明させていただきます。
 冒頭、「行き過ぎた緊縮志向」と「未来への投資不足」の流れを断ち切り、こうした技術を有する方々の社会実装、新たな市場獲得の挑戦を全力で後押しすることで、我が国の「潜在成長率」を高め、税率を上げずとも税収が自然増に向かう「強い経済」を実現する、とのご発言がございました。
 その上で、第一に、官民投資ロードマップについて、62の「主要な製品・技術等」について、想定される官民投資の規模が2040年度までに総額370兆円を超えること、例えば「フィジカルAI」・「半導体」では、半導体と合わせて78.5兆円の官民投資を引き出していくこと、また、「コンテンツ産業」について、官民の叡智の結集を実現する支援体制などにより、年間20兆円の海外売上げを実現していくことなどのご発言がございました。
 第二に、『戦略産業クラスター計画』、『地域産業クラスター計画』、『地場産業成長プラン』の3類型からなる地域未来戦略について、『戦略産業クラスター計画』に関して、既存の予算とは別枠で大胆に進めていくことなどのご発言がございました。
 第三に、分野横断的課題について、『官民投資ロードマップ』や『地域未来戦略』の策定過程で抽出された課題を解決するための措置により、62の「主要な製品・技術等」や「産業クラスター計画」の領域を超えて、日本全国での官民投資の拡大が期待されることについてご発言がございました。
 第四に、官民連携強化について、経済界においても、「投資牽引型経済」へのマインドセットの転換への機運が醸成されていること、官民の連携をこれまでにないくらい徹底的に強化し、必要な取組を実行していくことなどのご発言がございました。
 第五に、予算編成の抜本改革について、従来の政策の延長や制約を乗り越え、民間を含めた新たな発想や視点に基づく、真に効果のある政策が引き出せるよう、政府の予算の作り方を根本から改めること、恒常的施策については、原則、当初予算で措置し、「補正予算依存」から脱却し、事業者や地方公共団体の予見可能性を高めること、などのご発言があった後、とりわけ「予算編成の抜本改革」の狙いの一つとして導入する『「強く豊かな日本」投資枠』について、「国内民間設備投資」や「潜在成長率」を大きく引き上げる効果の高い措置を対象とし、真に効果的な投資支援策を取り込めるよう、いわゆる「シーリング」を設けることなく、必要額を適切に要求できるようにすること、「民間の予見可能性」を高めるため、その予算措置は複数年度の計画に基づくものを基本とし、その計画の進捗を定期的に確認し、投資誘発効果の薄い予算は柔軟に見直していくこと、基金については、一律・機械的な期間設定に囚われない予算措置が可能となるよう、「予算措置は原則3年以内」とする現行ルールの不適用を含め、基金ルールを見直すこと、財政の持続可能性を実現しながら必要十分な規模を確保するため、効果が上がっていない施策は大胆に見直すとともに、「政府債務残高対GDP比」を安定的に引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査し、毎年度の予算編成の中で、通年の国債発行額などを具体化していくことや、経済安全保障上、特に重要な分野等については、「特別会計で別枠管理」を行うこととし、複数年度で十分な財源を確保した上で、「償還財源の裏付けのあるつなぎ国債」の発行により、十分な規模を確保することなどのご発言がございました。
 そして、私に対して、新たな『予算編成の基本方針』及び責任ある積極財政の具体化の方向性を『骨太の方針』に反映するよう、片山大臣に対しては、「予算編成の抜本改革」に向けた必要な対応の具体化を進め、まずは、その出発点となる考え方を、明日の経済財政諮問会議で報告するようご指示がございました。
 また、「強い経済」の絵姿として行った試算において、成長戦略の実行により、累計410兆円の更なる国内投資、2040年度に国内民間設備投資額で年間230兆円、GDPで1,100兆円に迫る「経済成長」を実現し、同時に「財政の持続可能性」、「市場の信認確保」を実現できることが示された、とのご発言がございました。
 以上の内容は、高市総理が政権選択選挙と位置付けた本年2月の衆議院選挙において国民の皆様に訴えさせていただいた「責任ある積極財政」であり、高市総理から、日本成長戦略会議の皆様の前で、異例ではございますが、約20分にわたり、ご説明させていただいたところでございます。
 そして、最後に、全閣僚に対して、この「予算編成の抜本改革」を「骨太の方針」に反映させた後、今後、決定・公表される「概算要求基準」も踏まえ、予算、税制、法案といった、あらゆる政策分野の検討をより一層加速するようご指示があったところでございます。
 

2.質疑応答

(問)官民の負担割合と財源についてお伺いします。今回、2040年度までに戦略17分野で370兆円を超す投資を発表されましたが、その民間投資の呼び水となる政府の投資というのはいくらほど予定されていましたでしょうか。額もしくは割合についてお聞かせください。また、今、大臣がペーパーの中でおっしゃいました基金や別枠の予算についてもお伺いします。極めて高い水準の政府債務残高を抱え、長期金利も高い水準にある中で、どのように、この成長戦略と財政健全化の両立を図っていかれるのか、もう一度ご説明いただけますか。


(答)最初のご質問ですが、本日の日本成長戦略会議においてお示ししました「官民投資ロードマップ」は、目指すべき投資の方向性や規模感を示すことを目的としており、その趣旨を踏まえ、現時点で想定される官民全体の投資額を算出しております。このうち、官による投資は、「主要な製品・技術等」ごとに、研究開発、実証、本格商品化、量産化といった個々の発展ステージが、今後どの程度の時間軸で上がっていくかのシナリオによって、その関与度合いについて、一定の機械的な前提を想定したものとしており、今後予算編成の過程を通じて具体化・精査していくことになります。
 ただ、今申しましたように、一定の機械的な前提を想定して算出したものでありますので、今後の予算編成に予断を与えないためにも、具体的にここはこれだけ、民はこれだけ、という個々の分野について言及することは差し控えたいと思います。
 二点目ですけれども、高市内閣では「責任ある積極財政」の考え方の下、投資すべき分野への大胆な投資を行いつつ、「強い経済」と「財政の持続可能性」をバランス良く同時に実現していくこととしております。これまでも、予算全体のメリハリ付け等を通じて、財政の持続可能性にも十分に配慮した経済財政運営を行ってまいりました。引き続き、市場動向あるいは経済指標を常に十分注視しながら、「責任ある積極財政」の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく考えです。


(問)今おっしゃった債務残高対GDP比の安定的な引き下げについて質問です。今回の試算で成長戦略実現ケース①では確かに下がってますが、その下がり方は従来試算等に比べると大変緩やかになっていますし、30年代後半の下がり方はかなり緩やかだと思います。あるいは成長戦略実現ケース②だと30年代後半は、ほぼ横ばい、低下はしないという姿になっております。これをもって、債務残高対GDPの安定的低下がこの成長戦略で達成されるということをどの程度確度を持って言えるとお考えでしょうか。


(答)カーブの勾配のことだと思うのですが、今ご指摘されたことは当然、部局でもいろいろ検討しており、先ほど申しましたように、「責任ある積極財政」の考え方の下、「強い経済」と「財政の持続可能性」をバランス良く同時に実現していくこととしており、これまでも予算全体のメリハリ付けを通して、財政の持続可能性にも十分配慮してまいりました。あくまでも今回示した試算は、予算の上限といった意味ではなく、一つの試算として、財源を確保した上で別枠管理する予算の他に、追加財政支出を行うと想定しておりますので、債務残高対GDPを安定的に下げていく、の安定的がどの程度の勾配かについてはいろいろ議論があるかと思いますが、いずれにしましても、資料にお示ししてあるように、下がっているということは安定的に低下しているとご理解いただければ幸いです。
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