第1章 景気動向と好循環の進展
我が国経済は、デフレからの脱却と経済再生に向けた取組が進み、デフレ状況ではなくなる中、企業の収益改善が雇用の増加や賃金上昇につながり、それが消費や投資の増加に結び付く「経済の好循環」が着実に回り始めている。その結果、企業活動や雇用を含む幅広い分野で、およそ四半世紀ぶりとなる良好な経済状況がみられるようになった。2014年度には、社会保障・税一体改革を推進する観点から消費税率が引き上げられた。消費税率引上げや輸入物価の上昇等の影響を受けて、景気の回復力に弱さがみられる局面もあったが、好循環の動きが続く中で、景気は緩やかな回復基調が続いている。
本章では、経済にみられる好循環の動きを検証するとともに、最近の景気動向と今後の展望について幅広く整理を行う。具体的には、消費税率引上げや原油価格下落の中での景気動向や好循環を背景に進むデフレ脱却に向けた動きの検証、また、金融及び財政政策の進展を点検する。