第3章 雇用・社会保障と家計行動

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第1章で見たように、今回の景気後退局面では、雇用者数は2008年末頃まで横ばい傾向で推移したが、2009年に入って減少に転じている。こうしたなかで、派遣労働者等の解雇、雇止めといった現象に対し、景気拡張局面から続いている「格差」問題とあいまって、社会的な関心が高まっている。一方、雇用や社会保障を巡る不確実性が、家計行動を慎重にさせ、内需拡大の足かせになっているのではないかという声も聞かれる。
そこで本章では、「非正規雇用の増加が家計や雇用調整の速さにどう影響したのか」「景気の悪化は所得格差を拡大させるのか、所得再分配は十分機能しているか」「家計を取り巻く不確実性や社会保障制度への信頼は個人消費等にどう影響するのか」といった論点を中心に議論する。

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