第1節 小さな政府とは(14)

(14) 今回の調査で用いたコンジョイント分析については、統計上のバイアスが生じる可能性も指摘されている。第1は、評価の手がかりとなる情報によるバイアスであり、説明や質問内容が評価対象の重要性(例えば財政構造改革の重要性)を暗示するとそれが回答に影響したりする場合がある。第2は、シナリオ伝達ミスによるバイアスであり、今回の調査で言えば、3つの政府支出の分類等について回答者がその内容を十分にイメージできていない可能性や、示されたシナリオを現実味のあるものとして受け止められなかった可能性も考えられる。いずれにせよ、今後、類似の分析が蓄積されることによって、バイアスの可能性の検証を含め、こうした分析の実効性がさらに高まることが期待される。