第3節 企業の再構築(29)
(29)「損益分岐点」は、企業の採算ラインとなる売上高の水準を示す。企業は、限界利益(固定費+利益)に占める固定費(人件費+支払利息・割引料+減価償却費)の割合を小さくして採算ラインを引き下げることにより、利益が出やすい状態を作ることができる。したがって、損益分岐点の低下は、企業のリストラ努力が反映していると考えられる。一方、「損益分岐点比率」は、企業の採算ラインとなる売上高が現実の売上高に対してどのような水準にあるかを示すものである。つまり、損益分岐点比率は、企業のリストラ努力だけではなく、実際の売上高の動向を反映する。