第1章 2025年前半の世界経済の動向

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本章では、2025年前半の世界経済の動向について分析する。

第1節では、米国の景気動向について分析する。米国では、個人消費の伸びが緩やかになるなど景気の拡大が緩やかとなっている。加えて、耐久財を中心とする個人消費等に関税率引上げに伴う駆け込み需要やその反動の影響がみられるほか、消費者マインドが低下するなどの不透明感もみられる。

第2節では、中国の景気動向について分析する。中国では、「両新」政策等の各種政策により、供給面だけでなく、支援対象品目の消費の伸びも高まっているが、支援対象品目以外では低い伸びとなっているものもある。不動産開発投資は落ち込み、住宅価格は下落が続くなど、景気は足踏み状態が続いている。

第3節では、欧州の景気動向について分析する。ユーロ圏では、実質賃金の上昇等を受けて消費に持ち直しの動きがみられ、2025年1-3月期の実質GDP成長率もプラスとなるなど、景気は持ち直しの動きが続いている。アイルランドやドイツでは米国向けの駆け込み輸出の影響もみられる。英国でも、実質賃金の上昇等を背景とした消費の持ち直しを受けて、実質GDP成長率は2025年1-3月にかけてプラスで推移し、景気は持ち直している。

第4節では、これまでの分析を踏まえて、世界経済の見通しとリスク要因について整理する。

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