<付注> 垂直分業度の考え方と算出方法
垂直分業度は、輸出のために生産した額に輸入投入係数をかけることで、輸入投入額を算出し、それを輸出総額で割ることで計算する。具体的には、s国の全産業の垂直分業度の基本的な算出方法は、以下の式(1)による。
上記のVSsは、輸出向けの生産に要した輸入中間投入の額であり、輸入投入係数行列と産業間の生産波及効果も含めた間接的な輸入中間財需要も考慮した場合、以下の式(2)となる。
(1)に(2)を代入し、垂直分業度を以下の式から算出した。
今回の分析では、EU27か国と13の主要地域及びその他世界の地域(ROW)の41地域、35産業からなる元の国際産業連関表を、(別表1)、(別表2)に示したとおり、12地域、13産業に集約するとともに、資源等の地理的な偏在性による影響をできる限り除去するため、鉱業や農業を含む産業(別表2 産業1)、石油、石炭、核燃料等を含む産業(別表2 産業5)を除いて垂直分業度を算出した。
また、アジア経済研究所(2014)にならい、(3)式の輸出ベクトル(E)を最終需要向け(Ef)と中間需要向け(Ei)に分割して、前者を用いて算出した垂直分業度を垂直分業度(最終需要向け)、後者を用いて算出した垂直分業度を垂直分業度(中間需要向け)と呼んでいる。
(別表1)垂直分業度算出のために用いた地域のグループ化について
(別表2)垂直分業度算出のために用いた産業のグループ化について