原油や穀物、鉱物資源等の一次産品においては、2000年代以降、価格上昇が進んでいる。
本節では、国際商品市況の動向を概観し、その背景として考えられる新興国の需要拡大と商品市場の構造変化について分析する。また、こうした一次産品をめぐる環境変化を背景に資源輸出国と輸入国との間の世界的な所得移転が拡大しており、この点についても検討する。さらに、増大するエネルギー需要に対応するための供給拡大努力、特に代替資源・エネルギー開発の動向を概観する。最後に、これらを踏まえ、今後の我が国の政策運営に与える示唆を得る。