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第1章 世界経済の回復とギリシャ財政危機

第1節 世界経済の現状

1.景気回復は地域によってばらつき

 世界経済は、景気刺激策の効果もあって、緩やかに回復している。しかしながら、回復のペースは地域によってばらつきがみられ、アジアが景気回復を先導している(第1-1-1図)。アジアでは、中国では景気刺激策の効果もあり内需を中心に景気は拡大しており、インドでも景気は内需を中心に回復している。その他のアジア地域でも中国の内需拡大による中国向け輸出の増加やそれぞれの国の景気刺激策の効果により総じて回復している。他方、欧米諸国においても景気は回復に向かっているものの、アメリカでは緩やかな回復、ヨーロッパでは下げ止まりという状況であり、景気回復のペースは緩やかなものとなっている。主要国の実質GDPの水準について、世界金融危機前の08年4〜6月期を100としてみると、アジアでは、韓国、台湾で既に100を上回っており、アメリカでも危機前に近い水準まで達しているが、ヨーロッパでは総じて一段低い水準にとどまっている(第1-1-2図)。
 また、欧米では、失業率が依然として高水準で推移している。アメリカでは、雇用者数は10年1〜3月期に増加に転じたが、失業率は10年4月時点で9.9%といまだ10%近傍となっている(第1-1-3図)。また、ヨーロッパでは、失業率は、ドイツ、英国では横ばいとなっているが、ユーロ圏でみると上昇基調が続いており、10年2月には10%に達している。


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