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第3章 世界経済の見通しとリスク

第3節 アジア経済の見通しとリスク

1.見通し(メインシナリオ)−中国は09年後半から回復へ

   中国では、2008年11月に発表された4兆元規模の投資を含む内需拡大策等の効果もあり、景気は持ち直しつつある。先行きについても、世界的な景気後退により外需は弱い動きが続くものの、引き続き内需が堅調に推移すると見込まれることから、09年後半には緩やかに回復に向かい、10年には、世界経済の持ち直しと併せて、更に成長率を高めていくと見込まれる。
   NIEs、ASEANをみると、韓国、台湾、シンガポール等では、景気は後退しており、深刻な状況にある。先行きについても、これらの国は、国内市場が小さく、輸出の名目GDPに占める割合が高いことから、世界経済の回復に依存している部分が大きい。このため、今後、経済の収縮のテンポは徐々に緩やかになると見込まれるものの、当面、厳しい状況が続き、本格的な回復は、10年に入ってからになるものとみられる。
   インドについては、世界的な景気後退の影響を受けて、景気は一段と減速している。先行きについては、外需の落ち込みは続くものの、個人消費を中心に内需が景気を下支えしていくと見込まれることから、09年後半には景気は持ち直し、10年には、世界経済の持ち直しと併せ、徐々に、成長率を高めていくと見込まれる。
   国際機関の見通しを見ると、09年については、中国が6〜7%程度、インドネシアやインドも3〜5%程度の成長を維持するのに対し、NIEs、タイ、マレーシアではマイナス成長となると見込まれている。その後、10年には各国とも回復に向かうが、世界経済の回復が緩やかであることから、過去の景気拡大局面と比べると低めの成長率となると見込まれている(前掲第2-2-21表)
 


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