|
第１章 2007年の経済見通し |
世界経済（日本に関係の深い22か国・地域）は回復している。アメリカでは住宅投資の減少等により2006年４〜６月期以降緩やかな成長となったが、06年通年では3.3％と前年並みの成長となった。中国では直接規制や金利引上げ等による投資等の抑制（いわゆる「マクロコントロール(1)」）が強化されているものの、引き続き高い伸びが続き、06年は10.7％と４年連続で二桁の高成長となった。一方、ヨーロッパでは06年に景気の回復力を強め、ユーロ圏の成長率は2.8％となった。総じて、これら22か国の06年の成長率は05年をやや上回る3.9％となった。
以下では、07年の世界経済の見通し及び今後のリスクポイントを整理することとしたい。
第１章 2007年の経済見通し
2007年の世界経済は全体として06年をやや下回る3.3％程度の成長が見込まれている。これは、06年に比べてアメリカ経済の成長が減速するとともに、他の地域においても、おおむね成長が緩やかになることによる。本章では、07年の経済見通しのポイントを地域別に検討する。検討に当たっては民間機関の平均的な見方（４月30日までの公表分）を参考とした（第1-1表）。なお、国・地域別のより詳しい動向は別添の資料を参考とされたい。