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23 株価・金利・為替  Financial Market

株価・金利・為替の推移

<株価の動向>
  アメリカを中心とした世界的な景気の着実な回復を背景に、主要国の株価は2003年以降、総じて上昇基調で推移している。国・地域別でみると、先行して株価が上昇していたアメリカについては、原油価格上昇やFRBの利上げが継続したことなどから、05年の上昇は緩やかなものとなった。一方、ヨーロッパ・日本の株価については、米国株式との相対的な割安感に加え、年後半にかけて景況感が改善したことで上昇テンポは加速した。
  05年初頭、回復が遅れていたアメリカの雇用の改善が確認されたことで、株価は堅調な動きをみせた。しかし、原油価格の高騰に加え、3月の中旬に米大手自動車メーカーであるゼネラルモーターズ(GM)が業績見通しを大幅に下方修正するなど、製造業を中心として景気が一時的に鈍化するとの観測が高まったことから、上値の重い展開となった。
  年後半にかけては、アメリカ・メキシコ湾岸へのハリケーンの襲来やそれに伴うさらなる原油価格の上昇等により一時的に下落する局面もあったものの、アメリカ経済が個人消費を中心に成長を持続したことや、その他の主要国についても内需の回復による自律的な経済成長が展望される状況となってきたこと等から、株価は再び上昇基調を強めた。
  しかし06年の春以降は、世界的に金融引締め局面に入るとの観測等から世界的に株価はやや調整している。

<金利の動向>
  FRBは、2004年6月下旬の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、全てのFOMCにおいて0.25%ポイントずつ利上げを行い、06年5月まで連続16回、合計4.00%ポイントの利上げを行った。
  FRBの政策金利引上げに連動してアメリカでは短期金利が上昇した。一方で、中国を始めとする海外からの資金流入等の要因から、長期金利の上昇は緩やかなものにとどまり、長短金利差は大きく縮小した。 原油価格の上昇や企業景況感の改善等を受けて、ECBは05年12月に約5年ぶりとなる利上げ(0.25%ポイント)を実施し、06年3月にも0.25%ポイントの利上げを行った。これに伴い、ユーロ圏の長期金利も上昇に転じた。

<為替の動向>
  2005年を通じてドルは名目実効為替レートで増価基調で推移した。この背景としては、FRBの連続的な利上げによる主要国との金利格差の拡大がある。しかし、06年に入ってからは、ECB、日銀の金融引締め観測の高まりや、アメリカの対外不均衡問題等を背景にドルはやや減価している。
  ユーロは、05年を通じてアメリカとの金利格差が拡大したことから、名目実効為替レートは減価基調で推移した。更に年央には、フランス・オランダにおいてEU憲法条約批准の国民投票が否決されるなどの政治リスクから減価幅が拡大する局面もあった。06年に入ってからは、ドイツ等EU主要国の景況感の改善、及びそれを受けたECBの利上げ観測の高まり等を背景に増価に転じている。


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