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26  長短金利    Interest Rate

長期金利(国債10年物金利)の推移

短期金利(国債3か月物金利)の推移

<長期金利の動向>
 2003年、主要国の長期金利には大きな変動が見られた。2002年から2003年前半にかけて、景気回復期待の後退やデフレ懸念等から、長期金利は世界的に低下基調で推移した。特にアメリカの国債市場では、金融当局による利下げや長期国債購入観測が浮上し、長期金利の水準は3.1%と半世紀ぶりの低水準にまで低下した。しかし、6月中旬から9月上旬にかけて、アメリカにおいて景気回復期待が高まったことや、金融当局が決定した利下げ幅(0.25%)が市場の一部の予想(0.50%)を下回ったことなどから、アメリカの長期金利は急速な上昇に転じ、9月上旬には4.6%にまで達した。その後はやや弱含みながらもおおむね横ばいで推移している。

<短期金利の動向>
 2003年前半はイラク戦争に伴う地政学的なリスクなど先行きに対する不透明感から欧米で利下げが相次いだ。Fed(連邦準備制度理事会)は6月に政策金利(フェデラル・ファンド・レート誘導目標水準)を1.25%から1.00%とし、ECB(ヨーロッパ中央銀行)は3月と6月に2度の利下げを行い政策金利(短期買いオペの最低応札金利)を2.00%とした。その後世界的に景気回復基調は鮮明になっているが、インフレ率が低いなかで利上げは行われておらず短期金利は低い水準を保っている。


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