第2章 2024年後半の世界経済の動向

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本章では、2024年後半の欧米経済の動向と世界経済のリスク要因について分析する。

第1節では、アメリカの景気動向について分析する。第1項では、アメリカ経済の動向について、GDPや消費、住宅投資等の需要項目別の観点から分析を行う。アメリカでは、個人消費を中心とした景気拡大が続いている一方で、高所得者層と低所得者層との間での消費の格差が生じている。こうした消費の二極化について分析するほか、住宅市場や貿易の動向について、構造上の要因からの分析を行う。第2項では、アメリカの労働市場や物価の動向について分析を行った上で、これらを踏まえた金融政策の動向及び財政の動向について確認する。第3項では、産業別・州別の経済動向を分析する。人口・経済規模の大きい上位4州がアメリカ経済をどのようにけん引してきたかを確認した上で、いわゆるラストベルトと呼ばれる州の経済成長率が低い要因を産業構造等から考察する。

第2節では、欧州の景気動向について分析する。第1項ではユーロ圏経済の動向について、第2項では英国経済の動向について分析する。欧州では物価上昇率が低下する中で、実質GDP成長率はユーロ圏は2024年10-12月期、英国は2024年7-9月期でともにプラスとなり、景気は総じて持ち直している。なお、英国と比べると、ユーロ圏では消費、設備投資及び輸出の弱さがみられるなどの違いもみられる。

第3節では、第1章、第2章第1節、第2節の分析を踏まえて、世界経済のリスク要因について分析する。

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