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第1章 世界経済の回復の潮目の変化

  世界経済は、失業率が高水準であるなど引き続き深刻な状況にあるが、景気刺激策の効果もあって、緩やかに回復している。しかしながら、2010年半ば頃から、世界経済の景気回復のペースはそれまでの勢いをやや失い、更に緩やかなものになりつつある。他方、08年9月のリーマン・ブラザーズ破たんを契機とする世界金融危機発生後、先進国で実施された大規模な金融緩和により、世界的に流動性が拡大し、さらに、緩慢な景気回復を背景にアメリカで追加的な金融緩和が実施される中、新興国に大量の資金流入が生じている。
  本章では、世界経済の現状について概観した後、アジア、アメリカ、ヨーロッパについて地域ごとに現状及び今後を見通していく上で重要なポイントをみていく。


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