第3章 世界経済の見通しとリスク |
第4節 世界経済全体の見通しとリスク
1.経済見通し(メインシナリオ)― 緩やかな回復へ
世界経済は、雇用が悪化するなど引き続き深刻な状況にあるが、景気刺激策の効果もあってアジアを中心に持ち直しの動きが広がっており、景気は下げ止まっている。先行きについては、アジアでは中国を中心に回復の動きが広がり、先進国の景気も緩やかに持ち直していくことから、2010年の世界経済は緩やかに回復に向かい、徐々に成長率を高めていくと見込まれる。ただし、世界のGDPの4分の1を占めるアメリカ経済の回復テンポが緩慢となることが予想されることから、回復のテンポは緩やかなものとなり、10年全体では2%台にとどまると見込まれる。
なお、国際機関及び民間機関の見通しをみると、世界経済については、09年の実質経済成長率はおおむね▲1〜2%程度となっており、10年については、国際機関が2〜3%程度、民間機関では3%となっている(第3-4-1図、第3-4-2表、第3-4-3表)。