第1章 世界経済の回復の持続性 |
第2節 アジア経済
アジア経済は、世界金融危機の影響を実体経済面で強く受けたものの、中国の内需の拡大にけん引され、総じて回復に向かっている。中国では、内需拡大策を中心とする景気刺激策の効果が2009年初に現れ、その内需の拡大にけん引され、韓国、台湾では、09年1〜2月頃から、その他アジア地域においても4〜5月頃から持ち直しの動きがみられた。ここでは、まず、アジア経済の現況と回復の原動力について整理する。次に、アジア経済をけん引する中国の内需の先行きについてみるため、中国の消費と投資の持続性を検証する。さらに、緩和的な金融政策が続いている中国における資産バブルの可能性について、株式・不動産市場のそれぞれを対象にみていく。最後に、アジア経済の持続的な成長のための重要なかぎとなる、アジアの輸出の持続性について考察する。