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第1章 世界経済の回復の持続性

第1節 世界経済の回復パターンの特徴

1.持ち直しの動きが広がる世界経済

   世界経済は引き続き深刻な状況にあるが、景気刺激策の効果もあってアジアを中心に持ち直しの動きが広がっており、景気は下げ止まっている。
   主要国の実質経済成長率は、08年10〜12月期から09年1〜3月期にかけて総じて大幅なマイナスとなり、経済の収縮が続いたが、アジアにおいては、中国では、景気刺激策により、09年1〜3月期以降、成長率が前期比でみて再び高まる傾向となり、また、景気刺激策や中国向け輸出により、韓国では1〜3月期に、日本、台湾では4〜6月期に成長率がプラスに転じている(第1-1-1図)。少し遅れて、欧米においては、政策効果にも支えられて、アメリカでは7〜9月期に前期比でプラスに転じ、ヨーロッパでは、ドイツ、フランスでは09年4〜6月期に、ユーロ圏全体でも7〜9月期にプラスに転じた。
   生産をみると、08年10〜12月期から09年1〜3月期にかけて急減したが、アジアにおいては、中国、日本、韓国、台湾等早いところでは、09年初より持ち直しの動きがみられ、欧米においては、アメリカ、ドイツ、フランスで年半ば頃から下げ止まりないし持ち直しの動きがみられる(第1-1-2図)。輸出についても、08年秋から世界中で貿易の収縮がみられ、一年を経た現在も全体的に弱い動きではあるものの、総じて持ち直す動きがみられる(第1-1-3図)。
 


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