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7 シンガポール     Republic of Singapore
<2003年>

シンガポール経済のこれまで

<2004年の経済>
 2004年の経済成長率は7%程度になるものと見込まれている(政府見通し8〜9%、民間機関28社の平均7.4%)。民間機関の見通しは、半年前(2004年4月時点5.3%)に比べ上方修正されている。2004年前半の実質GDP成長率は1〜3月期が前年同期比7.5%、4〜6月期同12.5%と高い成長となった。アメリカ向けを始めとするディスクドライブ等の電子製品と、欧州向けを中心とした化学・薬品関連製品を中心に輸出が好調なことから、これらの産業を中心に生産も増加を続けている。また前年にSARSの被害を受けた観光業も発生以前の水準まで回復した。こうした景気の先行きに対する明るさから、消費も2004年以降大幅に回復するなど、景気は拡大を続けている。雇用は2004年に入り失業率が横ばいの状態が続いているが、雇用者数は増加していることから回復傾向にある。2004年8月にはゴー・チョクトン首相が退任し、リー・シェンロン首相が新たに就任したが、基本的政策に大きな変化はない。

シンガポールの主要経済指標

<2005年の経済見通し>
 2005年の経済成長は4%程度になるものと見込まれている(政府見通し3〜5%、民間機関28社の平均4.5%)。
 これまで成長を支えていたアメリカの景気が調整局面に入るとみられることなど、外需が減速すると予想されることから、主要産業である電子産業やバイオ関連産業を中心に輸出及び生産の伸びが2004年に比べ鈍化するものと予想される。また、これに伴い企業の業績悪化が予想されることから、回復傾向にあった消費や雇用が再び悪化する懸念がある。

<財政金融政策の動向>
 財政赤字は、経済が予想を上回る拡大を続けたことを受け、急速に改善している。2004年前半の税収は前年同期比2.4%上昇し、財政赤字も2004年1月のGDP比4.1%から6月時点で同2.6%まで減少した。政府は2004年度(2004年4月〜2005年3月)予算において、財政赤字をGDP比1.3%に抑える予算編成をしており、2005年度には均衡予算を目指す方針である。
 シンガポールでは少子化が問題となっており、2003年の合計特殊出生率は1.26まで低下している。これを受けて、政府は2004年8月に新たな少子化対策を発表した。内訳は、結婚後の住宅購入等に対する補助金の積み増し、出産費用への補助拡充、育児支援のための有給産休期間の延長、働く母親の所得税減税、仕事と家庭生活の両立のための支援等である。これらの対策により、政府は従来の少子化対策予算に加え、新たに年間3億シンガポール・ドル程度の財政支出を行う方針である。
 金融政策はインフレ圧力が高まっていることを受け、3か月インターバンク・レートは2004年9月末時点で1.44%まで上昇している。また2004年4月にシンガポール通貨庁(MAS)は、名目実効為替レートを小幅で緩やかな上昇に誘導する方針を発表した。為替レートは2004年5月以降7月まで1米ドル=1.700〜1.730シンガポール・ドルの間で推移していたが、8月以降増価基調で推移している(2004年10月8日時点1米ドル=1.6816シンガポール・ドル)。


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