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19 ロシア連邦     Russian Federation

<2002年>

ロシア連邦2002 ロシア連邦のこれまで

<2003年の経済>
 2003年の経済成長率は、6%程度となる見込みである(政府見通し5.9%(8月)、民間機関4社の平均6.2%(2003年10月時点))。政府は2003年予算において4.6%としていた見通しを上方修正しており、民間機関の見通しも、半年前(2003年4月時点4.4%)に比べて上方修正している。2003年前半には原油価格の上昇からエネルギー部門を中心に生産が増加し、年前半のGDP成長率は前年同期比7.2%となった。原油価格の低下から年後半は伸びが鈍化するものの、2003年の経済成長は昨年の伸びを上回る見込みとなっている。

<2004年の経済見通し>
 2004年の経済成長率は4%台半ばの経済成長が見込まれる(政府見通し3.8〜5.2%(8月)、民間機関4社の平均4.6%(2003年10月時点))。原油価格の低下などにより成長は減速するものの、おおむね安定した成長を続けるとみられる。なお、政府は2004年度予算案において原油価格(ウラル・ブレンド)の前提を22ドル/バレルとして5.2%の経済成長を見込んでいる。
 成長を支える要因としては、原油価格が高い水準で推移することによる所得の増加から個人消費が内需を牽引すること、エネルギー部門を中心とする投資の増加等が挙げられる。
 下方リスクとしては、世界経済の回復の遅れによる輸出の減少や原油価格の低下等が挙げられる。また、社会経済インフラの老朽化(発電所、石油・ガスのパイフライン、鉄道等)、エネルギー部門以外の企業競争力の弱さが成長を抑制する可能性もある。

ロシアの主要経済指標

<財政金融政策の動向>
 プーチン大統領は2003年5月の年次教書演説において、過去3年間で著しい成長を達成したGDPを2010年までの10年間で倍増させることを目標に掲げており、就任(2000年)以来積極的に進めてきた経済構造改革をさらに加速する姿勢を示した。ロシア経済は、主要輸出産品である原油価格の上昇とルーブル切り下げの効果による国内産業の回復等によって98年の金融危機から急速に回復したが、2000年をピークに経済成長率の伸びは鈍化傾向にある。政府は2003年から2005年までの経済改革の優先課題や経済指標の見通し等を取りまとめた中期プログラム(経済社会発展計画)を8月に公表したが、経済成長見通しは3年の間で15〜18%とされている。10年間でGDP倍増の達成には年平均で7%程度の高い経済成長が必要とみられており、当初3年間はそれを下回っている。
 2003年の財政収支は、原油価格の上昇を背景として予算におけるGDP比0.6%から上方修正され同1.2%の黒字が見込まれている。2004年度予算政府案において財政収支は同0.5%の黒字が予測されており、2001年以来4年連続の財政黒字が見込まれている。
 金融政策は緩和基調が続いている。中央銀行は為替レートの安定化を図るため、外貨購入を行ったことから外貨準備高は増加した。このため、マネーサプライは増加し、消費者物価上昇率は年初から9月までに8.6%上昇した。


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