第1章 中東情勢を受けた世界経済動向と各国の政策対応
2026年2月末の米国・イスラエルによるイランへの攻撃は、イランによる報復攻撃を招き、原油や天然ガスといった世界のエネルギー貿易の要衝であるホルムズ海峡の通航が大きく制約される状況に至った。本章では、中東情勢の緊迫化から半年弱が経過する中で、世界経済がどのような影響を受けているか、これに対して各国政府・中央銀行がどのような対応をとっているのかを整理する。
本章の構成は以下のとおりである。
第1節では、中東情勢や原油等の国際商品市況、主要国・地域のエネルギー需給構造等を整理した上で、今般の中東情勢の緊迫化とそれによって生じたエネルギー価格の高騰が、各国・地域の物価や実体経済に与えている影響を確認する。
第2節では、今般の中東情勢に伴うエネルギー価格の上昇やエネルギー貿易の混乱を受けた各国政府の初動対応について、財政余地も確認しつつ整理する。
第3節では、近年の主要中央銀行の金融政策の変遷を整理した上で、足元の中東情勢を踏まえた主要中央銀行の対応と今後の展望を議論する。
その上で、第4節では、次章の内容も一部先取りしつつ、中東情勢の緊迫化を受けた2026年前半の世界経済の動向と各国の政策対応について総括する。