はじめに
2025年の我が国経済は、米国による関税引上げという逆風に見舞われながらも、内需を中心とした緩やかな景気回復を続けた。地域経済にとっても、米国の関税引上げをはじめとする環境変化や予期せぬ事象の発生といった外的ショックが地域経済を変動させる要因となったが、その影響が及ぶ分野や大きさは地域経済ごとに一様ではない。地域経済が安定的に成長していくためには、こうした環境変化や事象発生の影響を乗り越えていく必要がある。また、地域ごとにこうした外的影響を強く受ける要因を把握できれば、それぞれの地域が対応すべき課題を明確にでき、総体として強い地域経済の実現にもつながっていく。
こうした状況を踏まえて、本レポートでは、まず、各地域経済の現状を確認する。地域経済の現状とともに、ここ最近起きた環境変化や事象の発生が地域経済に及ぼした影響を分析し、それぞれの地域経済の立ち位置を確認する。さらに、景気ウォッチャー調査の景気判断理由集を活用して、各地域が強い関心を示す事案を明らかにし、地域経済が直面する課題を整理する。ネガティブな観点から関心の強い事案は、言い換えれば、地域経済が抱える構造的な脆弱性を示すものとも言え、これを明らかにすることで、地域経済が安定して成長していくために取り組むべき課題を整理することができると考える。
具体的には、第1章では、過去1年程度の地域経済の動向を振り返り、この間の各地域の経済動向を概観するとともに、消費、生産や雇用など分野別の動向を分析し、地域ごとに景況感が異なる背景や要因を確認する。
第2章では、景気ウォッチャー調査における景気ウォッチャーの景気判断理由の分析を通じて、地域経済において強い関心が示されている事案を明らかにするとともに、強い関心が示される背景や理由を確認する。
最後に、第3章は本レポートのまとめである。各地域の経済動向を総括するとともに、地域経済の安定した成長に向けた課題を整理する。