コラム1 有効求人倍率の改善要因

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(コラム1 有効求人倍率の改善要因)

地域別の有効求人倍率は全ての地域で改善している(第4-1-11図)。過去の景気拡張局面では、有効求人倍率が1倍以上の地域があるものの、水準の低い地域についてはその改善度合いが小さく、雇用の改善にばらつきがみられた。一方、今期の景気拡張局面では、沖縄を除く全ての地域で1倍を超え、沖縄についても、本土復帰以来の最高水準を更新し、全国的に雇用の着実な回復が実現していることが特徴である。

こうした有効求人倍率の改善について、今回の拡張局面(2012年第4四半期-直近2015年第3四半期)と過去の拡張局面の同じ四半期数時点(2002年第1四半期-2004年第4四半期)における変化の寄与を比較すると5、過去と比べ、今回の有効求人倍率の改善には、求職者数の減少が以前より寄与している地域もある(第4-1-12図)。

地域別にみると、東北、四国、沖縄では、求職者数の減少寄与が過去と比べて大きくなっている一方、南関東、東海、近畿、中国などでは、相対的にあまり変化がみられない。全ての地域で有効求人倍率が改善しているものの、地域によって景況感に差が生じる背景には、有効求人数の増加寄与が地域間で異なるためであろう。

有効求職者数の減少は、失業者の就業が進んだ結果でもあるが、地域によっては生産年齢人口の減少という構造的な成長制約による面もある。有効求人倍率の改善には、こうした構造要因も影響している点に留意が必要である。


脚注5 2009年3月に始まる拡張局面は、リーマンショック後の急激な雇用調整を経た後であったことから、比較対象としていない。
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