地域の経済2015<ポイント>

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<ポイント>

○ 総論

2015年の地域経済をみると、アベノミクスの経済政策の下、経済の好循環は地方へと波及しつつある。消費は全体としては底堅く推移したが、地域ごとにばらつきがみられた。特に、訪日外客による需要増の恩恵を受ける地域は、所得面でも堅調さがみられた。2015年後半には中国をはじめとする新興国経済の減速等もあり、生産が弱含んだ地域も多く、所得面での下押し圧力となった。企業収益の水準は高く、労働需要も堅調に推移してきたところであるが、今後は、収益が各地域で循環すること、また、労働需給がタイトとなる中で雇用のミスマッチの解消と継続的な賃金引上げに向けた生産性の上昇を果たせるかどうかが、カギとなる。

○ 第1章

消費税率引上げによる落ち込みからの消費の回復は、大都市部で先行したものの、地方での持ち直しの動きにはばらつきがみられた。消費の回復にみられる地域差には、資産効果や訪日外客による観光需要のばらつき、高齢化の進展差等が影響していると考えられる。

○ 第2、3章

企業動向について、多くの地域で生産は弱含みまたはおおむね横ばいである。多くの地域で、生産ウエイトの高い業種で対中輸出額が高い傾向があり、地域によっては、中国経済の減速の影響が輸出を通じて生産に大きく波及する構造となっている。設備投資は、企業収益の増加を背景として、多くの地域で増加の見込みとなっている。

○ 第4章

有効求人倍率が全地域で改善するなど、雇用・所得環境の改善が地方へも広がってきている。構造的な人口減少や人口移動の下、顕在化している人手不足が、成長のボトルネックにならないよう、ミスマッチの解消や労働生産性の向上が必要である。

○ 第5章

東日本大震災から5年が経過し、住宅再建などの生活基盤整備に関する取組は着実に進展している。ただし、人手不足と雇用のミスマッチ解消が課題であるほか、今後の成長を担う産業の活性化と新産業の育成が重要である。

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